サドとして生きてきた男の中に潜む“従う欲望”。
その本性が目を覚ます瞬間は、驚くほど静かで、こちらが息を潜めてしまうほど美しい。
豊橋の昼間、外の音が遠くなる時間に、誰にも知られない部屋であなたが女装して跪く姿を、私は逃さず受け止めたい。
強がってSを名乗ってきたあなたほど、委ねた瞬間の崩れ方は綺麗だ。支配と服従は表裏一体で、どちらか一方では成り立たない。
あなたがただ責めてきた側として過ごしてきたなら、なおさら“従う”という行為の深さを知らないはず。
けれど本気で委ねる覚悟を決めた瞬間、身体よりも先に心が震え、その震えが快感へと変わっていく。
あなたの見せる弱さも、戸惑いも、抗いきれない本能も全部受け止める準備ができている。
ゆっくり跪き、視線を上げて私を見上げた時、あなたは初めて“責められる快感”の意味を理解する。
強く押されるより、静かに支配されるほうが深く刺さることを、昼の光の中で思い知らされる。
逃げ場を奪われる恐怖と、委ねきったときに訪れる安堵。
その境界を越えた瞬間、あなたはもう戻れない。
私はその一線を、あなたと一緒に確かめたい。