まず申し上げていただきますが、私は過程だけが違うとは言っておりません。前にも述べましたが家族愛や「家庭を築いていくんだ」という「意識」が男女の夫婦と同性婚者の間で程度の差こそあれ違ってくるのではないかと考えているのです。そしてこれは私の考える「結果」つまりその後の家庭運営に大きく影響します。なぜならば例え男女の夫婦であっても子供のいる、いないで離婚率が大きく違ってくるからです。さらにもっと言えば離婚率が高いと考えられる子供のいない夫婦の中でも共働きの、子供を産む予定のない夫婦の方が別れる率が高いのですよ。今述べたのは離婚の一面ですが、別れる要素は当然他にもあると思います。だがそれでも全ての要素には共通点があります。それはパートナーと「家庭を築いていこう」という意識が破綻した、という点です。であるのなら、私が前に述べた男女の夫婦と同性愛者の夫婦の間で違ってくる意識というのはその後の「結果」、つまり家庭運営に大きく影響してくる要素であるとは思えませんか?
また私は男女の恋が良くて同性の恋が悪いと考えておりません。しかし恋と愛、さらに言えば「お付き合い」と「結婚」は違います。好きだけでは結婚は出来ないのですよ。
この点が私は貴方に申し上げたいことなのですが、もし貴方の考える結婚とは私にはどうしても男女の結婚とは違った「一時的に互いの感情を高める手段」にしか見えないのですよ。そしてもしそうなってくるのなら貴方が熱心に唱える「同性婚」どれほどの意味があるのでしょうか?
このような言い方をしておりますが、私は貴方の理念に反対をしているわけではありません。今の環境を嘆くだけでなくゲイが確固とした信念をもって環境を変えようと取り組むことは間違ってはいないと思います。ただそのための手段として「結婚」を求めるのなら、これについても確固とした結婚観を持っていなければならないと思うのです。ただ単に男女の結婚と同性婚を同列に並べて考えるのではなく、結婚の中で男女の夫婦に出来て、同性婚者に出来ない点、問題はなんなのか、さらにはそのような問題に対してどういったアプローチでフォローしていけばよいのか、そういった現行の結婚という観点にはない、「同性での結婚観」というものを貴方がどの程度考え、そしてどの程度主張されているのか、この点が非常に疑問なのですよ。もしあなたがこのような点について確固とした意識を持っておられるのなら貴方の提案により説得力、信頼力が生まれ、支持する人、同調してくれる力も増える気がします。