▼室戸さん:
>欧米では同性愛者の人権運動は、特にここ30年間では、地球規模で意識革命を起こしたと言っても過言ではないほど活発です。世界保健機関(WHO)は、同性愛を異常ではないとし、日本の精神神経医学会や厚生労働省も同性愛は治療の対象とはならないとの見解を明らかにしています。実はこうした一連の変化は、医学的な判断より同性愛人権運動団体の圧力によると言われています。人権をたてに普遍的な通念を覆したわけですね。
> そして今や「同性愛は正当な性のあり方の一つで、人類の10人に一人は同性愛者、同性愛は生まれつきで変えることは不可能」の一切の批判を許さない見解は世界的な定説になりつつあり、日本でも同様の見解がなんの根拠もなく鵜呑みにされて報道されているのを耳にします。果たして本当に同性愛は変えることができないのでしょうか…?ちなみに精神分析学のフロイトは、同性愛は病理であるとしっかりと明確に宣言しております。
題名の「同性愛は変えられるか?」ということですが、これは異性愛は変えられるのか?と全く意味を同じにしている質問だと言えます。それが社会的な理由によるものであろうと、ホルモンなどの内分泌によるものであろうと、人が思春期を迎える時期には個人差があることや、性的指向にはさまざまなバージョンがあるということを鑑みれば、それは、変わる人もいれば、変わらない人もいるということになると思う。意図的に変えられるかという質問には、いまだかつて誰も明確な答えを出してはいないが、これに「成功した」という実験結果は、悲惨なものがほとんどだ。そもそも性的欲望・性的指向は、「気づくこと」によって初めて自覚する自分の意識であり、意図的に決定するもの/形成させるものではない。
フロイトが同性愛を病理と位置づけていたのはともかく、フロイトの考えでは、精神を決定するのは、主に幼い頃の「家庭=社会」であり、性的指向を決定するのは 家庭、つまり社会や環境ということになり、フロイトに従えば、性的指向は環境によって変えられるということになる。だが、教育や生育歴によって性的指向が決定されるなどということは、証明のしようがないのである。もっとも精神分析は、今ある現象に後でとってつけた説明であって、なんの説明にもなっていないのである。