俺にとっての父親は荷物、足枷以外の何者でもなかったな…
小学校位から年に1回くらいしか会わなかったし…
物心ついた頃から向こうは別宅に女囲ってたからなぁ。
金で人を支配出来ると思ってるような男だった。
まぁ、中学まではその金で俺も育った訳だけどね。
「親父」本人じゃなく金と付き合ってる感じだったなぁ。
あいつが金で支配してた部下に裏切られて、会社を畳んでからは俺や母親に金をせびって昼間から酒飲んでくだをまいて…
高校ん時は苦労したわぁ。親父が会社で抱えた借金があって、債権者から逃げる為に籍抜いたり裁判したり…
毎日早く死ねって思ってた。殺そうかって本気で悩んだな。
高校3年だったかな。あいつがシラフの時に5万渡して、もう二度と目の前に現れないでくれって追い出してから会ってない。
一度警察から電話あったけど。
ファミレスで無銭飲食して、置き去りにされた鞄の中に履歴書があって俺の番号書いてあったって。
一昨年あいつが前に住んでた市の生活課から手紙が来て本人が入院してて会いたいって言ってるって。
会わなかった。
会わないまま死んだ。
…けど悲しくなかったな、ホッとした。
俺にとって親父はそんな存在。