BLは、「女性が読者である」ということが前提で書かれています。つまり、女性の視点から見た男性同性愛であって、現実の男性同性愛とはかけ離れた内容になっています。
つまり、一部の女性の妄想を具現化したものだと思ってもらえればいいです。
僕も、一般の書店で売られているBLを何冊か読んでみたことがあります。また、古本屋で同人誌らしきものも立ち読みしたことがあります。
ですが、正直、もう読みたくないですね。
どうやら、タチが無理やりノンケをレイプして、その結果愛が芽生えるというのがパターンらしいのですが、この時点で、既に偏見の塊なのではないでしょうか。 まず、レイプは犯罪でしょう。いえ、実際に法的な責任に問われなくても、好きでもない奴から自分がされたら嫌でしょう。明らかに「ゲイはセックスのことしか考えていない」という偏見を助長しています。
次に、異性指向の人が同性指向になることはありません。この点でも、現実を非常に無視していますね。
第三に、実際に出会う場所が学校や会社など日常の場面であるというのも、おかしくないですか? 実際に社会にある同性愛者差別を無視しているのですから。カミングアウトの難しさや差別について深く考えた上で真剣に告白する、というのならまだ分かるのですが……。
第四に、必ずと言っていいほど、BLの主人公たちは刹那的です。何一つゲイリブの活動をしようとしませんし、非常にクローゼットです。結局、最後には愛し合っているけど女性と結婚する、というようなパターンも多いようですが、これこそ差別でしょう。
第五に、大抵主人公はノンケなのですが、その視点から見たときに「男が男を求めるなんて」とか、「男同士でこんなことをするのは」とか何とか、地の文や台詞に、同性愛嫌悪の内容が含まれていることが多いです。
最後に(あまり言いたくないのですが)、BLの登場人物はセックスだけが目的の関係が多いですよね。いや、セックスしてはいけないと言っているわけではないのですが、(女性の)読者が求めているのは、結局そこなんだろうという感じです。これも、やっぱり偏見を助長しているのではないでしょうか。
もちろん、上記のパターンに当てはまらない作品は多々あるでしょうが、どれも似たりよったりですし、明らかにオタク文化です。別にオタクを批判するわけではないのですが、例えば、まだ小学生くらいの女の子に悪戯をするというような内容のエロ本を、本物の女子小学生がどんな目で見ているのか想像してみてください。BLも同じでしょう。
ストロングカタツムリさんなんかは同性愛者ではないみたいなので、この辺のことが分からないのでしょう。ライブ会場で、秋葉原で売っているようなロリータ的なアニメの本や小説を見せびらかしている人に向かって「気持ち悪い」なんて言うことは、僕だって言えませんよ。
昨日も満員電車の中でBLを広げて読んでいるおばさんを目撃しましたが、僕も別に何も言いませんでした。
でも、本来ゲイが読者となることを想定して作られていない本に対してゲイの賞賛を求めるのは間違っていませんか? 異性愛者向けのエロ本をゲイに買えということや、逆にG−menとかBadiをノンケに読めというのと同じくらい馬鹿げたことですよ。