▼シンさん:
>まぁ他の国で生活したことは無いから分かんないけど日本の差別はここ数年でかなりなくなってきたんじゃない?
>世界有数のゲイシティー2丁目(ボクはそんなすごいとは思わないけど)もあるし
>今では結構な番組におかまが出演してる
>HGがゲイのキャラクターで笑いをとろうと考えたってのもゲイが受け入れられたって証だと思うょ
>日本は元々小姓って形でゲイ文化があったからDNAには他の国に比べて受け入れる基盤はあるかもしれないし
本当にそんなことを考えているのだとしたら、あなたは現実を認識していないと言わざるを得ません。一冊でいいですから、『プロブレムQ&A 同性愛って何?―わかりあうことから共に生きるために』とか『同性愛・多様なセクシュアリティ―人権と共生を学ぶ授業』とか『セクシュアルマイノリティ―同性愛、性同一性障害、インターセックスの当事者が語る人間の多様な性』とか『同性愛がわかる本』といったような真面目な本を読んで欲しいと思います。興味本位の本では意味がありません。
1995年6月、日本テレビ系の『解禁テレビ』という番組の中で、『怖くていけないところ』というタイトルで、新宿2丁目が紹介されたことがありました。取材者が男性なので、男性同性愛者にそこでナンパされてやられちゃったら怖くていけないから、といういい加減なネーミングらしいのです。番組の内容は、新宿二丁目の街角に、男性スタッフの一人が立って男性同性愛者にナンパされる一部始終をそのスタッフの上着につけた超小型カメラで撮る、というものでした。最初はなかなか声が掛からなかったのですが、とうとう見事ある男性にナンパされ、その人のマンションについて行き、マンションの部屋に入ってさぁここで! というところで、ポンとフィルムが終わるのです。その後は、司会の福留アナとタレントの中山秀征たちが、非常に興味本位に笑いながらコメントしていました。この番組を見ただけでは、同性愛者はただナンパしてセックスをするだけ、というイメージが強烈に視聴者に焼き付きますし、どう見ても番組全体で同性愛者を嘲笑しているとしか思えななかったらしいです。(大阪の同性愛者の団体『ゲイ・フロント関西』が粘り強く抗議して、日本テレビ側が謝罪しました)
俺はこのときまだ子供だったので、実際にはこの番組を見ていないのですが、当時を知るのにはいいと思って取り上げました。
さて、それから十年以上経った2006年5月に、日本テレビの『アンテナ22』という番組で、同様の、いやもっと悪質な内容が放送されました。俺も見ましたが、酷い内容でした。大阪府議会議員の尾辻かな子さんを中心に、四つの団体からなる「Act Against Homophobia」が抗議しました。
日本のメディアは何も反省していないという証拠なのではないでしょうか。
一方、イギリスを見てください。
イギリスでは、1986年から1990年にかけて30人を超える同性愛者が殺され、警察がやったことといえば、殺人犯のうちごくわずかを法廷へと送り込むだけでした。1989年のゲイの同意を上の性行為に対する猥褻罪の適用数は、英国において同性愛が違法だった1966年よりも多かったのです。
しかし、2005年12月には、イギリスでもシビル・パートナーシップ法(日本のメディアは同性結婚として報道している)が認められました。2006年1月には、同性カップルが養子を持つ権利が認められました。
さらに、イギリスのトニー・ブレア首相は、「将来、自国が同性愛者のリーダー(首相)を持つこともじゅうぶんにありえる」と述べたことがあります。ブレア首相は、雑誌のインタビューに答えて、「英国議会には上下院とも『たくさんの』同性愛者の議員がおり、その頂点に立つものが出てもおかしくないし、その場合でも彼または彼女は一般大衆に歓迎されることだろう。私は、人々が、単に同性愛者であるからというだけで首相を拒否するとは思えない」と語りました。日本の阿部首相とは大違いですよね。
現在、オランダ、ベルギー、スペイン、カナダ、アメリカのマサチューセッツ州では、同性結婚を認めています。また、イギリス、フランス、イタリア、スイス、ドイツ、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、グリーンランド、アイスランド、フィンランド、ルクセンブルク、アンドラ、スロベニア、スイス、チェコ共和国、アルゼンチン、ブラジル、ニュージーランド、アメリカのハワイ州とバーモント州とカリフォルニア州とニュージャージー州とメーン州とコネチカット州、オーストラリアのタスマニア州、オーストラリア首都特別地域では、同性結婚に准ずるシビルユニオン(法)やドメスティックパートナー(法)やシビル・パートナーシップ(法)を認めています。また、イスラエル、ハンガリー、ポルトガル、オーストリア、クロアチア、リヒテンシュタイン、アイルランド、台湾、中国、カンボジアなどでは、同性愛者の権利を保障したり、同性結婚法案を検討したり議論したりしています。
これだけの国や地域で、「異性愛と同性愛の混在する社会における対処法」が構築されているのです。この事実こそが、日本に住む異性愛者が同性愛者を差別している根拠だと思います。少なくとも、日本は先進国の中で最も同性愛者を差別している国家の中の一つだと思います。
>書き込みを読んでも結局実際に解決に繋がりそうな意見ってすごい少ない気がする
>誰がダメ…何がダメって感じで
では、解決のための具体例を書きたいと思います。
まず、前述の真面目な本などを読んで勉強してください。
日本では、保健体育や家庭科における性教育で、同性愛に関係したものをやってくれる学校は非常に少ないです(EUなどでは同性愛に関する教育は当然のことです)。さらに、マスメディアは偏見を垂れ流し、増幅させています。
その結果、あなたには同性愛に関する基礎知識が欠けています。それは、あなたが悪いわけではありません。しかし、「解決に繋がりそうな意見」を提示されても実行しないのであれば、それはあなたの責任になります。
同性愛に関する勉強をした後、パレードに参加したり、同性愛者の人権を守るためのNPO法人に所属して尽力してほしいと思います。それが、解決への第一歩なのです。