艦長さん。
僕も含めて、世の善人たちは、身の危険のない絶対安全地帯では、
わずかの欲望満足の機会を見逃さない。
そうした場所こそ、インターネットの掲示板とくに、「2ちゃんねる」なのだ。
ここは、弱い羊の化けの皮がはがれ、
考える限り最も凶暴性を有する本性を垣間見せてくれるまことに貴重な空間である。
そこにうごめくのは、嫉妬と羨望と憎悪と怠惰と恐れと投げやりと自嘲、
これらのボロ布を幾重にもまとって、
彼らは、自分のさもしい欲望を全開させる。
弱さゆえに自分が認められないこと、報われないことにどうしてもあきらめきれない輩たち(じつはとっくの昔にあきらめているのであるが)が排泄する言葉のゴミ溜めであり、
便所である。
その臭気たるや、思わず鼻をつまみたくなるほど凄まじい。
しかも、じつのところ、
彼らに嫉妬や憎悪を抱くなと命じることはできない。
世の価値体系にどっぷり浸かっている彼ら(善人)には、
それは不可能だからである。
僕は思う。
しかし、せめて、嫉妬と憎悪で破裂しそうな自分を恥じないでもらいたい。
「僕らは、憎悪と嫉妬を知らないでおれるほど偉大ではない。されば、それらを恥じないでおられるほど偉大であれ!
ネット上で憂さを晴らしている弱者は、
決して表で堂々と試合をせず、
陰に回って匿名のまま ありとあらゆる表舞台で働いている者を嘲笑し、
唾を吐きかけ、足蹴にする者たちは、
疑いなくその行為を恥じているであろう。
恥じていない!と言ったとしても、
自分の身分を公表しないのは、
やはり恥じているからである。
それが卑劣な行為だと知っているからである。
正式の住所、本籍、学歴、職業を公開すれば、どんなに酷い仕打ちを受けるか知っているからである。
匿名のまま(じつは匿名ではないが)自分は安全なところにいて、
ありとあらゆる有名人を、犯罪被疑者を、定式通り裁くことは、
最も頭の悪い人間にもたやすくできることである。
しかも、彼らのほとんどは、「軽い気持ちで」実践している。
善人=弱者は安全を求めるのだから
正々堂々名乗りを挙げて攻撃するべきだが、できない。
それなら、
黙るべきだ、がしかし、できない。
しかし、こういう人達も総合的に考えて狂人ではないようだし、
と すると、匿名で他人をおとしめることに夢中に行為を誇っているわけがない。
いや、恥じているに違いない。
極めて劣悪な中学生並みの行為をあえてするのは、
身体の芯まで恥じて当然なのだ。
だから、せめて「それらを恥じないでおれるほど偉大であれ!」
と言いたいのです。
彼らは、疑いなく、それしかできないのだから、もっと自信を持って、
その道を邁進してもらいたいと
皮肉を込めて心から願うのです。