▼宝船さん:
この問題については、イデオロギーの問題が深く・広く横たわっていて、とても難しい論点をはらんでいますので、
中道的姿勢で簡潔に述べたいと考えます。
例えば、自虐史観
自虐史観”とは、自 国の歴史をことさらに 悪くいうこと、という 意味で使われているよ うですが。
自分は日本国民であ ることを誇りに思いた い、そのためには日本 国も誇れる国であって 欲しい、だから自分の 歴史のうち闇の部分だ け、同じ日本人を引き合 いに出すのは耐えられ ない、という考え方の ようです。
しかし、これに対し ては別の考え方もあり 、自分は国に愛着を持 つが故に、歴史の闇の 部分を戒めとして記憶 に留めたいし、人々に 語り伝えたいという意見も当然あります。
これはどちらも一理 あり、要はそのバラン スをとることが重要な のでしょう。
バランスを欠くと、 人の言うことを故意に 捻じ曲げたり、相手の 人格を攻撃したり、沢 山の史実から都合のよ いことを取り出して自 分勝手な解釈をつける ようになります。
例え ば靖国神社などは、” 大東亜戦争は、アジア の解放のための戦争だ った。”などと言って いますが、それではア ジアの隣人であった中 国などに対して侵略行 為をしたことの理由を 説明できません。
無論侵略したかどうかということでも、意見は分れるところですが、
ここではあえて、言及しません。
相手を攻撃す るがために相手に対し て”右翼”とか売国奴 とかいうレッテル貼り をすることが横行して います。(僕もそうですから、反省してはいますが。)
過去の戦争でも、軍 部は反対者に”非国民 ”とレッテル貼りをす ることで、国を誤まっ た方向に導いていきま した。
中国と戦争を始 めた時点で、”本当に 中国と事を構えるのこ とが国のとってよいこ とだろうか。”などと 議論することは、本当 は日本のためになるこ とだったはずです。
し かし、それをした犬養 毅らは粛清され、軍部 のやりたい放題にして いたら、いつの間にか アメリカと戦争するこ とになっていました。
こうした事情を考え ると、”歴史の負の部 分でもそれと向き合わ なければ日本人は先に 進めない”、と戦後多 くの日本人が考えたの は、私はもっともだと 思います。
「自虐史観をやめる べきだと主張している 本や人」は、そうした 史観はアメリカにより 刷り込まれたものだと 主張していますが、
ことにこのことについては、疑問は残り
僕 から言わせれば幼稚な 考えであり、多くの日 本人を馬鹿にしていま す。
アメリカが全て良 かったわけではなく、 日本が全て悪かったわ けでもない。そんなこ とは当たり前であり、 そんなことはわざわざ 彼らから教えてもらう ようなことではありま せん。
日本には何もない逆 境から世界の一流国に なったことが2度もあ るという輝かしい歴史 があります。
別に卑下 する必要はありません 。その反面、国家が急 成長する過程で未熟だ った点もあり、例えば 言論を統制するとか、 軍人が政治家を兼ねる とかというような大失 敗をしています。
その ために戦争で多くの人 命を失った。死んでい った人達のためにも、 未熟だった点は「お互い」忘れて はならないのです。