▼タカさん:
>同性愛の原因に決定的な定説がまだ定まってないのをいいことに、その反論として
>「人がなぜ同性愛になるのかは分からないが、反対に異性愛になるのかも分かっておりません…」なんてそれ目的の啓蒙書にゲイ擁護の決め台詞みたく見受けられるんだけども、それってどうよ?
>論のすり替えじゃね?異性愛になんのは子孫を残すためだろ?生物学的には異性愛が正常だとちゃんと認めたらどうだ?
明らかに、生物学を知らないのに、「生物学的に」という用語を用いるべきではありません。
生物学における「性」は、そんなに簡単なものではありません。
では、進化の過程で、性を必要としなかった種、微生物、胞子をつくる菌類、シダ植物、などは生物学的にみて異常と言えるでしょうか。言えるはずがありません。
「雌花へ花粉を飛ばさなかった、雄花」は、異常と言えるでしょうか。
こうも言えます。発芽しなかったすべての種子は、異常と言えるのか?
自然界のすべての固体は、人間の考えるように行動するとは限りません。さまざまな、行動のたった一つの(奇跡的な)行動、すなわち、オスとメスが出会い交尾した時、さらに感動的なことに、上手く受精したときにのみ、子孫を残すことが可能となるのです。すなわち、男と女がセックスをして、子孫を残すのは、それにたどり着けなかった他の個体からみれば、極めて特別な、存在だと言うことができます。その場合、子孫を残せなかった固体と、子孫を残した固体の、どちらが、異常でどちらが正常だと、どうして判断が可能になるでしょうか。
有性生殖をする固体には、同性愛も異性愛も存在します。それは、今文章を書いている私と、この文を読んでいるあなたが証明しています。
しかし、ただ子孫を残すことが容易なのは(可能性があるのは)、異性愛(と両性愛)の固体であり、同性にしか惹かれない固体は子孫を残すことが不可能だ、ただそれだけのことだと言えるのではないでしょうか。
逆に、「すべての固体が、異性愛の行動をとり、子孫を残す」のは、異常だと言えます。これははっきりと断言しましょう。自然は、「プログラム」通りには、行かないのだから。異性と出会うことが一つの目標だとすると、その目標を達成できない固体は必ず出現するし、そうしたシナリオからはずれる個体、むしろシナリオに抗おうとする固体は必ず出現する。これが、自然である。すべての固体が、教科書通りの行動をしたとすれば、それには「異常な」力、それは自然ではなく、「人の手」が加わっていることを暗に示している。論文の捏造が発覚するのは、こうした「できすぎたデータ」の存在が一つのきっかけとなる。
異常な力は、自然を自然のまま見ることを阻む。すなわち、異性愛が正常であり、同性愛は異常であるという、イデオロギーという力は、同性愛者を拘束し、隠蔽する。その結果、「わが国には同性愛者はいない」と発言する国とそうではない国、同性愛者が多数を占める州がある国や、新宿二丁目の存在する国が生まれるのである。