クラスの中には、幼稚園から入った者、小学校から入った者、
そして、俺のように、中等部から入った者が居る。
例外はあるものの、幼稚園より小学校、小学校より中等部で
入って来た者の方が、平均的に成績は良く、俺も入学当初は、
上位にあったが、数か月後には、平均以下の成績に落ちた。
実際はともかく「オナニーをやり過ぎると頭が悪くなる」と
言われてたし、やり過ぎを自覚していた俺は、出来るだけ
しないように努めた。
ただ、頭一つ小さい俺は、満員電車の中では、しょっちゅう
狙われていた。
最初の頃は、怖くて声も出せず、下を向いたまま、せいぜい
身を捩って避けていたが、俺が抵抗しないとみると、大胆に
触ってくるヤツが居た。
一人や二人ではなく、何人かの同じ顔ぶれが、意識的に、
俺の周囲に寄ってきていた。
学生風から、中年サラリーマン風、かなりのオッサン風までいた。
触られている時は、体を固くして、俯いてしまうので、
相手の顔を良く見ることは出来なかった。
期末テストが終わり、数日間オナっていなかったある日、
前にも触られたことのある、30歳ぐらいのスーツ姿の男が、
他の男達から俺を遠ざけるようにしながら、俺の前に
身を寄せてきた。
そして、手の甲から触り、次いで、手のひらで包みこむようにし、
その日は、チャックを引き下げ、イキナリ手を突っ込まれた。
何時もは、ズボンの上からだったのに、初めて直接触られ、
俺は一瞬声をあげそうになって、男の顔を見上げた。
男は、意外にも気の弱そうな、色白スリム体型だった。
そして、俺の目をジッと見返したその眼が妙に、優しく、
落ち着いた風だった。
今まで触ってきたヤツは、どこか血走ったと言うか、
ガツガツした感があったが、どこかホッとする雰囲気が
あった。
いつの間にか、手首まで押し入ってきて、暖かい手のひらに、
スッポリと包まれ、微妙にユックリと刺激を加えられ、
アッと言う間にマックス状態にされてしまった。
今までも、「嫌」とは思わないこともあったが、
恐怖感もなく、安心感の中で、初めて「イイ」と思った。
数分もしないうちに、脳天に電気が走り抜け、頭が真っ白に
なり、その瞬間、腰が砕け落ちそうになり、俺は男に、
しがみつくような感じで、男の手のひらに射精した。
初めて精通があった時と同じような、スゴイ快感だった。
男も、俺がこんなに簡単に爆発するとは思っていなかった様だが、
自分のハンカチを取り出し、丁寧に後始末をしてくれた。
駅に着き、すぐにトイレの個室に入り、チャックを引き下げた。
ズボンの外側にも何点か粘液が付着していたが、ズボンの内側に、
ハンカチが押し当てられていて、外に染み出すことはなさそうだった。