電車に乗っている時間は、正味20分。
駅のトイレで後始末をしながら、精液の匂いが気になり、
満員の車内で、射精させられると、周囲の人に、匂いで、
気づかれてしまうのではないかと心配になり、以降、
車内で射精させられるのだけは、絶対阻止しようと思った。
次の日から、乗車車両を変えることにした。
それでも、やはり狙われ、ズボンの上から触られるのは
仕方ないとして、チャックを引き下ろされるのだけは、
徹底して抵抗した。
時には、乗車車両を変えるだけでなく、乗車時間帯を変えたり、
自己防衛をしていたせいか、或いは、急に背が伸びてきたせいもあってか、
徐々に触られなくなってきた。
殆ど触られなくなってみると、勝手なもので、それはそれで
物足りなく感じたりもしたが、そんな時、偶然入った地下道の
トイレで、信じがたい光景を見た。
トイレは混んでいて、一つだけ空いた小便器の前に立ち、
放尿している間に、隣に立っていた男の視線を感じた。
俺が顔をあげると、そいつは、顔をそむけたが、無表情で
中空をジッと見る目つきに、何とも怪しげさを感じた。
そして、視線を下すと、そこには、やせて小柄な男からは
想像できないような、デッカク反り返ったチンコがあった。
男は、依然として、無表情で中空を見つめたままで、チンコを
ユックリ扱いていた。
ズル剝けで、逆反りした大人のチンコを、俺は、初めて見た。
それも圧倒されるような迫力にくぎ付けにされた。
男は、中空を見つめたまま、幾分腰を引いて、更に見やすくと
言うか、俺に見せつけるようにした。
俺は、とっくに放尿を終えていたが、しばらく見とれていたが、
さりげなくその場を離れた。
俺が入る前より、他の小便器に立っていた連中は、同じように
どことなく無表情で、一応に中空を見つめていて、とっくに放尿は
終えているはずなのに、その場を離れようとはしなかった。
その夜、俺は、ズル剝けで反り返った大人のチンコを思い浮かべた。
皮を被った、幼さの残る俺のチンコとは、余りにも違う迫力に、
ホントにマツタケみたいだと思った。