中3の時の懺悔話です。
中3に進級してすぐのころ、休み時間の教室で聞くともなしに聞こえてきたのは隣のクラスの山中くんの悪口でした。
発信源は〈声の大きな〉〈野球部〉のメンバーで、山中君を野球部でのけ者にしよう、といった話をしていました。
なぜそういうことをするかといえば、山中君が「虚言癖」の持ち主であり、自分を大きく見せたいがためにしょっちゅうくだらない嘘をつくから、とのことでした。
その話をきっかけとして、僕も思い出したことがあります。
実は山中君と僕とは中1の時に同じクラスで、出席番号が近かったのです。だから授業を初めとして「班活動」をする際にはいつも同じ班になりました。
同じ班になると、必然的に会話を交わすことも多くなります。確かにそういった場面で山中君が話すことは「自分中心」で、「自分がいかに優れているか」ということでした。たとえば、〈中1にして野球部ではレギュラーが確定している〉とか、〈家が結構な金持ち〉とか〈親戚に有名人がいる〉といった内容です。
もちろんそれらの話のほとんどは「嘘」なのですが、山中君は嬉々として話をしていました。
野球部のメンバーが、山中君をのけ者にしようと話をしていたのを聞いて、僕は「山中君は中1のころから変わっていないんだな」と思いました。そして部活でのけ者にされるのはちょっとかわいそうだけれど、原因は山中君自身にあるのだからしょうがないな、とも思いました。