野球のときに、股間をおおってキンタマを守る防具のファールカップがあるのに気づいた。
白いプラスチックの三角形をした防具を裏返してみたら、チン毛が一本内側についていた。洗ってないんだろう。白いはずが、なんとなく黄ばんだ感じに思える。少し鼻を近づけたら、さっき嗅いだ包茎の香りがした気がする。
僕はわざとファールカップを引き出しから出してカーペットの上に置き、引き出しを閉めた。
しばらくしたらトランクス一枚の耀司くんが戻ってきた。僕は耀司くんに「あの白いヤツって何?」と聞きながらファールカップを指差した。今日は親がいないから耀司くんは緊張感がない。
耀司くんはニヤニヤしながら自慢げに「先生知らないんすか?」と言いつつ、ファールカップをトランクスの前に当てて「キンタマをこれで守るんすよ」と股間に押し付けたのを見せてきた。ファールカップを覆っているが、何やら硬い棒がトランクス越しにあるのがわかる。
僕はわざと「付け方わかんないから、ちゃんと説明してよ」と頼み込み、何とか水泳のサポーターの上から、ファールカップをつけるのを見せてもらうことになった。
耀司くんは、サポーターをタンスの引き出しから照れ臭そうに取り出した。白い小さな三角の布は、いやらしく縮こまっている。しかも裏返っていたからか、Mサイズのラベルが見える。
そこまできたときに耀司くんは急に「これ、ジャンケンで野球拳して負けた人が、これ付けません?」と提案してきた。
僕は乗り気でジャンケンをした。進めるうちに自分もズボンと靴下を脱ぎ、耀司くんもTシャツと靴下を脱ぎ、互いに拮抗した状態だった。
しかし、耀司くんの股間の状態が明らかにおかしかった。僕は思い切って聞いた。「耀司くん、いま立ってる?」