書き溜めてた分、これで無くなった!いつもながら、エロいとこなくてすんません!次はエロになると思います!イチャイチャが書きたい!とりあえずだらだら書きます!
続きです。
店のクローズ間際。店長から改めてお礼を言われて、手伝い組は帰っていいよって言われた。ユウトは、彼氏が迎えに来てくれるとかで、すごい勢いで店を出てった。
店の外でアキラさんが終わるのを待っとこうと思って裏口から出ると、堂々とエレベーターの目の前で客の女の子とキスしてるキョウスケさんに遭遇してしまった。
「あ、マサキー、お疲れー」
「……おつかれさまです…」
何のうしろめたさもなく笑顔で言われて。なんかすごい呆れた目で見つめてしまった。女の子を見送ったキョウスケさんが笑顔で俺に近づいてくる。
「やべー。見られちゃったー!マサキ、覗きはいかんよー」
「覗いてないっす。つーか、見られんの嫌ならあんなとこでやんないでください」
そんなことを言いながら店の外に出ると、キョウスケさんがコーヒーを買って追いかけてきた。コーヒーを手渡されて、店の裏の階段に二人で座る。
「はい、かんぱーい。どうだった?旦那の職場見学は?」
「誰かさんがお客さん呼びまくったせいで、旦那の様子見ることも出来ずにバタバタしてましたよ」
「あはは。でも、俺のお客さんも褒めてたよ?一生懸命で応援したくなるー!ってさ。笑 意外とホストになったら客つくかもな!」
「いやいや、それを言うならキョウスケさんでしょ。改めて…なんかモてるんだなって感じました。やっぱり、かっこいいなって」
珍しく素直に感想を述べてみると、キョウスケさんがびっくりした顔で俺を見てきた。
「……わーそういうこと言っちゃう?なんか、マサキってさ、やっぱ可愛いよね。素直だし。本当惜しいことしたわー。チューする?」
「しませんて。なんですか、いきなり」
「アキラからさ、マサキの過去話、少し聞いたよ。あ、最初の頃にちょっとだけだかんな?色々きついこといっぱいあったろ?なんでそんなに素直なの?今日ホストって仕事も実際見たろ?アキラにさ、不安とか感じなかった?あいつモテるよ?」
キョウスケさんがなんでそんなことを聞いてくんのか、よくわかんなかったけど、なんかいつものからかった感じとかじゃなく、割と真剣な顔で話してきたから、真剣に考えた。
「うーん…まぁ、モテるのは、わかりますよ。不安にもなるし…。今日来てたお客さんとかも、俺にないものがっつり持ってるし…。みんな…可愛いかったし。でも、なんか、もうそういうのじゃないんですよね…不安だからきつい、とか浮気されたから、別れる…とかそういうのじゃないんです」
「?どういうこと?」
「俺は男で、学も無くて、お金も稼いでるわけじゃないし…今日来てたお客さんの誰よりも何も持ってないし、アキラさんに与えられてないと思うけど…。アキラさんを絶対に独りにはしないっていう気持ちは誰にも負けないです。自分がきついからって理由で離れていくのは、もう絶対しない。もう絶対に間違いたくないんです」
沖縄でアキラさんから「もう、1人にしないで」って言われたのは、俺の中で相当ショックだった。色んなもの持ってると思ってたアキラさんは、実は何も持ってなくて、独りになるのを異様に怖がった。
でも、俺もなんとなくわかる。昔から人に愛されるのが当たり前じゃなかったから、何を信じていいのかわからない。戸籍も血の繋がりも、絶対のつながりじゃない。親子だから当たり前に愛してもらえる、とか、結婚してるから、一生一緒にいられる、とかなんの疑いも無く信じて生きている人が不思議でしょうがないぐらい。
一生側にいてくれるって目に見える保障がずっと欲しかった。結果、そんな保障なんてどこにもなくて、人と付き合っても、どうせ離れていく前提で付き合ってた。
「実際、婚姻届なんて書いたけど、出しに行けるわけじゃないし、法的にも世間的にも夫婦って認められることもないけど…。目に見える保障がもらえないからこそ、自分の気持ちとアキラさんの気持ちだけを信じてます。信じるものが一つしかないから、逆に楽ですよ」
「それしかないんなら…信じて、裏切られたら?全部なくなっちゃうよ?」
「裏切りってなんですかね?…たぶん浮気とかで、裏切りとは思わないし。浮気しようと、アキラさんが犯罪者になろうと、俺はただアキラさんが求めてくれる以上は、一緒にいるだけです。裏切られた、なんて、絶対思わないですよ」
「…なんか、すげーな…。自分の気持ちよりも、アキラのことが大事なんだ…。見返りありきで尽くす女の子はたくさんいるけど…なんか、次元違うわ」
「キョウスケさんみたいな人は、ひきますよね?自分で言ってて、重いなーと思いました。笑」
「でも、それぐらいの重りだから、確かにアキラも安心できるんだろうな…。あいつ結構弱いから。でも、結婚より強い繋がりってあるんだなって…ちょっとびっくりした」
優しい笑顔で言われて、意外と引かれなくて安心した。ていうか、ちょっと驚いた。言ってる自分でも支離滅裂でよくわかんないこと言ってるって思ったけど、ちゃんと伝わって。
(いつもバカなのに、真剣な顔するとやっぱかっこいいんだよなー…)
キョウスケさんとも一回ぐらいはやっときゃよかったかなーなんて、そんなことを思ってた、そんな時。
奥の裏道からなにか言い争う声が聞こえた。
「なんだー?喧嘩か?」
言いながら声のする方に向かうキョウスケさんの後を追う。少し入った路地裏にいたのは、ユウトとユウトの彼氏だった。雰囲気は明らかに揉めてる感じ。
「この前、渡したばっかじゃん。まだ…給料日じゃないし…」
「じゃあ、とりあえず、今日のやつだけでいいから。てかこの前のも全然だったじゃん、あんなんじゃたりないって」
そんな会話をしながら、ユウトが今日もらったバイト代を封筒ごと渡していた。
「何あれ、ユウトかつあげされてんじゃん。誰よ、あれ」
「ユウトの彼氏…」
「まじか、噂以上のクズだな」
小声で聞かれて、答えると、キョウスケさんが顔をゆがめながら言った。
「ていうか、この前言ってたの今度から頼もうと思うから」
「は?俺嫌だって言ったじゃん!」
「でも、実際俺きついんだよ…。ユウト心配してくれたじゃん…。俺ユウトしか頼れないんだよ…ユウトが好きだから、周りを清算したいんだよ…。綺麗にしてから、ユウトのことちゃんと考えたいんだよ」
「…………」
そんな会話が聞こえてくる。その後、一言、二言、喋って、ユウトは彼氏とチューして帰って行った。
「なんか…ユウト大丈夫なん?すげー、面倒くさそうなヤツが彼氏なんだなー。あー、もったいなーい。あんな可愛いのにー!」
「本当に…うちの店も、一回問題起こしてから、マスター居る時は出禁になってるし…正直別れてほしいんですけど…」
「じゃあ、俺本気で口説いちゃおうかなー!」
「それも複雑なんですけど…」
「なんでだよー!さっきかっこいいって言ってくれたじゃん」
そんな会話をしてたら、仕事が終わったアキラさんが裏口から出てきた。キョウスケさんと2人でいる所を確認して、あからさまにすげー嫌そうな顔になった。
その後、キョウスケさんと別れて、アキラさんと家に帰った。家に帰ってる間に、ユウトに「ちゃんと帰れた?」ってラインしたけど、返信は返ってこなかった。