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バイト時代の。・・・8
   - 15/9/7(月) 1:42 -
コメントありがとうございます!
いつも遅くなってすみません・・・
今回ちょっと長文です。


続きです。

それからしばらくは晃一との距離を保ちつつバイトをしていた。
会話的にはバイトだと晃一も私語は多くなくまじめなほうだったので、バイト中は前とそんなに変わらなかった。
それと大学のサークル活動が活発化したおかげで休日はそっちに行ってしまうことも多くなった。

晃一「あ、慧さーん!今度の休み一緒に遊びに行きませんかー?」

バイト終わりにそう誘われたこともあったが、

俺「あ、ごめん!その日大学のサークルのやつでこっちにいないわ!」

晃一「えーまたサークルですかー?じゃあ、また今度ですね・・・。」

そう言って断ることもあった。
嘘をついていた訳ではないが、断ることに心臓に針が刺さるような感じはあった。
もちろん晃一にその気は無いため、会話こそ今までと同じようにするが遊びの誘いは少なくなってきた。
その反面、俺の晃一への思いが消えずに寧ろ、溜まっていった。

そして冬。
冬はここのバイトだけでなく飲食店は忙しさを増す。
その日も俺は晃一と一緒に厨房で作業をしていた。
最初は忙しすぎてお互いヒーヒー言ってたが、クローズが近くなるにつれてだんだんと落ち着いていった。

晃一「ふぃー。今日ヤバかったですねー!」

俺「こんなんでへばってるとクリスマスとか死んじゃうぞ(笑)」

晃一「クリスマスですか・・・」

俺「そうだよー?晃一も女と遊んでる暇なんて無いぞー?」

晃一「・・・そんなのいませんよ。」

俺「ふーん。まぁ稼ぎ時だし、終わったらまた店長の恒例イベントあるから(笑)」

晃一「なんかあるんですか?」

俺「ん?クリスマスに予定の無い人が集まる禍々しい飲み会・・・」

晃一「え(笑)それ人来るんですか?」

俺「それが、意外集まるんだよ・・・」

晃一「なんか悲しいですね(笑)慧さんは関係なさそうですけど」

俺「何言ってる!俺はあの店長になってから皆勤賞だから!」

晃一「あ・・・悲しい男・・・」

俺「うるせー!!(笑)」

そうやっていつものように会話を楽しみながらクローズ作業をしていた。


そしてクリスマスがやってきた。
こんな田舎の町にこんなに人がいたのかって言うぐらい押し寄せてくるわけで、
もちろん店内、厨房も地獄と化す。
そんな状態が1日中続く中で俺はほぼ一日厨房を任せられる。
今まではフル回転で作業していたが、今年は頼もしい戦力が3人もいるのでだいぶ楽だった。
そして無事にクリスマスを終えた。
クリスマスの後はまるで台風一過の如く店も静かになり、
それを見計らってたかのように店長がすでに飲み会の設定を済ませていた。

店長《予約は大体でとったから「暇な人」だけ来てねー!》

とメールが送られてきて、今年も変わらず参加することに。

飲み会当日。
その日はバイト休み。俺は飲む気満々だったので、純にまた運転手をお願いして送ってってもらうことに。
メンバーは誰が来るか分からなかったため、現地集合だった。

俺「今日誰がくるの?」

純「いやー俺も聞いてないっす。高校生とか来るんすかね?彼氏彼女がいなければの話っすけど・・・」

俺「・・・・仲間だな」

純「・・・・仲間っすね」

車内が葬式モードになる雰囲気だったが、そのための禍々しい会のため気を取り直して店内へ。
店員に客室に案内されるとすでに来ている人が、

店長「おーお疲れー!」

俺・純「あ、お疲れ様です〜」

純「まだ店長だけなんすね(笑)」

店長「まぁ今回割りと期待できる返事結構来たから安心しろって!」

そうこういっているうちに続々とくる他のバイトの子達。
女の子組はさすがにこの時期だからか2人しか来なかった。
いつもの少人数なぁと思っていると遅れてくる人が、

店長「おー!誠に晃一じゃないかー!来てくれて助かるわー!」

誠「まー俺たちはいつも予定無いんで(笑)」

晃一「おい、一緒にすんなー!」

晃一が誠に突っ込む。
俺は晃一が来るとはまったく思っていなかったので驚いていた。
それと同時に一気にテンションが上がってきた。

純「あれ、真也君は?」

誠「あーあいつは彼女ですよきっと・・・」

純「あ・・・なるほど。」

というと純はやれやれといった表情をする。
そして時間になり、店長が仕切りクリスマスお疲れだの、
来年もよろしくだの適当に言って乾杯をする。
前回の飲み会より多少少人数のため前よりも穏やかに飲みは進む、
晃一は俺の横に座って飲んでいた。

俺「あれ、晃一彼女と一緒に過ごさんの?」

そう言うと、晃一が眉間にしわを寄せる。

晃一「はい〜!?それどこ情報なんですかぁ〜!?そんなもんいませんて前言わなかったでしたっけ?」

俺「あれ、本当にいないんだ!?てっきりいるもんだと思ってた!」

晃一「いたらここにいないし、慧さんを映画に誘ったりしませってーったくー。ぐびぐび・・・」

俺「あはは、そうだな笑(ん?なんで映画?)って晃一それがっつりお酒なんだけど・・・」

俺は晃一が言った一言が気になったが、目の前で酒豪と化している人を突っ込まざるを得なかった。

晃一「え!?これっすか?もうジュースなのかお酒なのか分からないですよ!ラベル貼ってくださいラベル!」

純「晃一くん・・・なんか今日恐い(笑)」

たしかに今日の晃一はなんか荒れていたが、目の前に出された焼きそばがくるとどっかで見た光景が、

晃一「慧さんここのやきそばいまいちっすね(もっちゃもっちゃ)」

俺「めっちゃ美味そうに頬張ってるがな(笑)」

そういうと俺しか見えない位置で変顔交じりの笑顔を見せてきた。
(うーん今日も順調に出来上がるかもしれない・・・)
そう思っていると、

晃一「あ、そうだ慧さん。今日慧さんの家行ってもいいですか?」

急にいつものトーンで言ってくる。

俺「え?いいけどなんで?」

晃一「いや、前言ってたゲーム買ったって言ってくれたじゃないですか。あれ一緒にやりましょ!」

俺「あーあれか、最近遊んでないし遊ぶか!」

晃一「やったー!じゃあ終わったらお邪魔しますね〜♪」

すっかり油断していた俺は流れるまま承諾してしまった。
気がつくともう飲み会も終わりの時間、店長があっさりと締めて終わりも適当に解散になった。
俺はというと、前よりもかなり酔っていて、後数杯でリバースしそうなところまでいっていた。

俺「じゃ、純あとよろしく・・・」

純「大丈夫っすか〜?ヘパ○ーゼ買ったんであげますよ!」

俺「悪ぃ〜助かる」

純「晃一くん家後でいい?」

俺「あ、晃一も俺ん家で」

晃一「大丈夫ですか?今日止めときますか?」

俺「へーきへーき。しばらくすれば治る感じ」

そう言うと車が動き出す。
気持ち悪さはすぐに直ることは分かっているが、
家に近づくにつれて早くなる鼓動は予測不能だった。
横で心配そうに声を掛けて来る晃一。
俺の肩に添えられた手は熱く、俺の全神経がそこに行っている感じがした。
純もいつもどおり安全運転でゆっくりだったため、
家に着く頃にはだいぶ気分もよくなっていたが、
緊張は最高潮だった。

晃一「純さんありがとうございました。お気をつけてー」

俺「いつもありがとな」

純「晃一くん慧さんよろしくね〜。慧さんまたバイトで!おつかれっす!」

そう言ってる最中に車は走り出した。

取り残された二人。

晃一「慧さんもう大丈夫ですか?」

俺「あーもう全然よくなったよ。すまんな」

よかったといって晃一が笑う。
それを直視できずに晃一を家までゆっくりと歩きながら連れて行く。

速いままの鼓動を沈めるかのように。

引用なし

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