ユウマのチームがビリになった瞬間、周りは大歓声をあげ、対照的にユウマはその場にしゃがみ込み苦笑いを浮かべていました。
ユウマ初めてのくすぐり責めは僕らにとって一大イベントです。
周りは普段とは違う高揚感につつまれ、ユウマの手足をフェンスに縛り付けるたびに歓声、ヒーローインタビューのように拳をユウマに向けると、ユウマは悔しそうに「マジでいやだぁ!」と叫び、それに周りは大盛り上がりでした。
僕も内心大興奮です。だって部のエースでありイケメン、その身体つきは見事で、張った胸にくびれた腰、割れた腹筋に長い手足が僕のすぐ目の前で大の字に開かれているんですから。
普段、1チームは4人なのでだいたい一人につき3人がくすぐる役としてつきます。
しかしその日は違いました。なんたってあのユウマがくすぐられるんです!部員たちは他の3人はそっちの気でみんなユウマをくすぐろうとしてました。それに対してユウマは「ちょっと!それオカシイ!俺だけとか可笑しいって!!!!」叫んでいましたが、その声も虚しく、「それではくすぐり、はじめ!」という部長の声を皮切りに、ユウマだけの罰ゲームが始まりました。
その光景は、まさに祭り。
10人くらいの男子が一人の男子に群がり、男子校のあのノリで大盛り上がりで手を伸ばします。
四方から何本もの手が伸びてきて、ユウマもひとたまりもありません。脇をくすぐられ腹をくすぐられ、逃げようにも手足がフェンスに捕らわれ、ただユウマは身体をよじるしかありません。
周りの大歓声とユウマの泣き笑い叫び声、そしてフェンスの激しく軋む音が渦巻く中、プールサイドにタイマーの音が鳴り響きました。
ユウマにとってあまりにも長すぎる1分間が終わりました。
肩で息をし、「死にそう…」と呟くユウマ。そのぐったりとした姿、普段泳ぎ終わって疲れている時に見かけるものとは違い、かなり色気がありました。
しかし、これで終わりではありませんでした。いや、むしろこれが、ユウマにとっての地獄の始まりでした。
罰ゲームも終わり、負けたチームを解放しようとした瞬間でした。
「あれ、ユウマ大きくなってない?」
部長の一言に、部員たちの視線がユウマの股間に集中しました。
普段から部内一の膨らみを誇っていたユウマのボクサータイプの水着の中心部は、明らかにいつもよりも大きく、その存在を主張していました。
「あ、いや、これは…!」
しどろもどろに何かを言おうとするユウマの顔が、みるみる赤みを増していきます。
そして、部長の無情な号令がまたプールサイドに響きました。
「延長戦っ!!!!!」