暗がりの中、私は自分の引き締められた水着の尻をなでていました。
見た目も、つくりも、ぴったりした穿き心地もすべすべした肌触りも、なにもかも恥ずかしく「エッチ」でした。
時折女の子が食い込みを直すように生地をパチンと弾いたりしながら、私はこんなことをしている言い訳とも妄想の補強ともつかない考えをめぐらせていました。
こんな無防備でエッチなものを穿かせて誰が手を伸ばしてくるかも分からない水の中を泳がすなんて、ひどい。
触られたのも、感じてしまったのも、ヘンなことをしてしまうのも、みんなこのいやらしいパンツのせいだ。
痴漢を誘惑し、引き寄せるパンツ。
あそこを締め付け、固定して、触られる準備を整えるパンツ。
敏感な部分を守ってくれるどころか、刺激されるのに最適な状態で痴漢の面前に差し出すいやらしいパンツ。
ピチピチに締め付けてムラムラさせ、悪戯な手を滑らせて、もどかしく甘い刺激に腰を振らせるエッチなパンツ…
いつか見た夢が私の被害妄想?をよく表していました。
服を下着まですべて脱がされ、裸にされた後、無理矢理水着を穿かされて、触手でいっぱいのプールへ下半身を沈められるという夢です。
夢の中でか回想して加えたものか覚えていませんが、わざわざ水着を穿かされたのは「触手に水着をまさぐる性質がある」のと、「年端もいかない男の子は水着越しの方が気持ちいい」から、
下着と違って「濡れていじくられても敏感な場所へフィットし続ける」からという設定がありました。
要するに私にとって水着はもう、男の子を乱れさせるのに都合のいい淫靡な着衣としか考えられなくなっていたのです。
股間はもう焦らされてこれ以上ないほどパンパンでした。
肌と水着の境をなぞるように手を這わせ、はち切れそうな前面に進ませると、指先でぞわりと表面を撫でました。
摩擦がさざ波のように伝導し、微細な振動が柔肌をくすぐります。
あそこがピクンと跳ねると同時に、胸や下腹部がキュゥっと切なくなりました。
(ああっ…!)
待ちに待った刺激。代えがたい甘美な感触でした。
繰り返し指先で膨らみを撫でながら、私は「された」ときのことを思い出していきます。
(触られた…このパンツで…)
あの日を回想して気持ちよくなることに抵抗がなかったわけではありません。
しかしそれ以上に、あのときと同じ状況・され方で、思いっきりエッチになりたいという強烈な欲求にとりつかれていました。
きっと池や沼でもあったら再現を試みて入ってしまったでしょうが、幸か不幸かそれは叶いませんでした。
しかし代わりに、土の地面に水が溜まっているのを見つけて、私は息を荒げました。
どうかしていると思われるでしょうが…濡れた水着の感触が恋しくなり、一度パンツを脱いで水溜りへ浸けた後…再び穿きました。
ぐちゅ、と泥水を含んだ化繊が肌にまとわりつく卑猥な感触。
気持ち悪いような気持ちいいような、どこか羞恥を掻き立てる粘質な密着感に、再びあそこが弾みます。軽くイッたような感覚すらありました。
痴漢されたのは水の中でのことでしたが、それを反芻してのオナニーでは使用済みの水着を穿きましたから、私の中では状況の再現にもなっていました。
(ああ…キモチわるい…)
汚く、気持ち悪いのに感じてしまう。それも痴漢される感覚に似ていたのかもしれません。
とうとうシャツも脱いでしまい、水泳パンツ一枚の姿で、私は脚に水を滴らせながら、突き出た木材の一本に跨りました。
擦りつけオナニーをしようと思ったのです。が、ささくれだった木の上では濡れたナイロンもさすがに滑りません。
仕方なくあそこの根本あたりを押し付けたまま、木とお腹との間に固定されたあそこの先へ手をやりました。すると…
(あ!!!!)
とてつもなく甘い刺激に肌が粟立ち、思わずのけぞりました。
発見でした――何かに跨ってやや前屈みになると、上向きに収納されたあそこは物と身体とに圧迫されて、尖端をわずかに覗かせた状態になります。
するとただでさえフィットの強い水着がいっそうピチピチになり、より過酷に、最も敏感な箇所を締めつけるようになるのでした。
悪戯されるのに酷なほど適した状態。そこを指先でくすぐると、
「はぁっ…!」
声が漏れるほどの快感でした。そしてなにより、あの、見知らぬ他人に触られたときの刺激に、それまでのどんなやり方よりも近いものが得られました。
(これっ…エッチぃ…っ! 触られてる…チカンされてるみたい…!)
そうして私は暗闇の中、これまでになく乱れました。