俺はあれから一月間は狂ったようにいろんな人と行為をもった。俺はこっちの世界でそこそこモテるらしく、トータルで20人くらいとやったと思う。一日3人と会うこともあった。そんな無茶な生活が続くと、さすがに身体はもたないらしく、勃たなくなってしまったことには驚いた。
性欲が落ち着くと、その後2ヶ月間は誰から連絡がきても会うことはしなかった。
テスト期間が終わり少し長い休みがあったので、どこかに出掛けることにした。準備をしていると突然ピンポンが鳴った。某放送局だと面倒なので、静かに覗き穴から見ると見たことのあるシルエットがそこにはあった。
篤人だった。突然のことに心臓がドキンとした。あいつが人の家に訪ねてくることなんて絶対になかったからだ。俺は一呼吸おいてドアを開けた。俺はすでに姿は確認していたが、恥ずかしかったので突然の訪問者に驚いたふりをした。
篤人は決して俺と目を合わさずに、まず一言。「おい、何突然連絡たってんだよー…」と言った。俺は篤人にはなにも話さずに連絡をしなくなったから心配したと思う。俺は笑顔で「お前から来るなんて珍しいじゃん笑寂しかったのか?」といい頭を撫でてやった。篤人は何も言わずに俺の裾を握ってきた。こいつはシャイで不器用だけど、天然でこういうかわいい動作をしてくるから憎めない。とりあえず部屋に招き入れた。
それから3か月何をしていたのかとか、女の子とはどうなったのかとか気になっていたことを聞いた。篤人いわく、女の子はタイプじゃなかったし、自分から連絡はとらなかったのでその後は会ってないらしい。少し疑う気持ちもありながらも篤人は嘘を言わないので信じることにした。でも、俺のヤキモチがなくなった訳じゃない。俺はストレートに俺とどっちが気持ちよかったんだよと聞いた。篤人は緊張したからイっちゃったけど気持ちよくなかったといった。そういう時は俺の目をまっすぐ見てくるからこいつはやり手だと思う。篤人は俺が怒っていると思ってるらしい。でも、こいつは一人っ子だから仲直りの仕方がわからないのだ。全てを話してくれといった目をしてくるので、俺は「分かったよ…」と一言いい。正直にヤキモチ焼いていたことを話すことにした。でも、ヤキモチ焼くってことは男も好きになったと正直に話さなければならない。俺はその日初めて、自分の秘密を人に打ち明けた。