横を向いたコータが、こっちをまっすぐに見ていた。
整った形の瞳や長い睫毛が、すぐ目の前にある。
「なに、コータ?」
ドキドキしているのを隠そうと、そう聞くのがやっとだった。
するとコータは体をさらにぐっと引き寄せ、腕をまわして僕の体を横から抱き締めた。
「嫌じゃ、ない?」
僕の首筋に顔をうずめるようにしながら、コータがそう聞いてきた。
「…ううん。大丈夫」
肩に回されたコータの腕を、僕もそっと触れてみる。体温と一緒に、若々しい筋肉の弾力が伝わってきた。
「東京に来てから、バカな女たちと恋愛なんて到底言えないような付きあいが何度もあったけど、後でむなしくなるだけだったよ。楽しいのはセックスしてる瞬間だけとかでさ。この東京のどこかにリクさんがいるのにって思うと、余計そうだった」
「コータ…? えっと…」
コータが何を伝えようとしてるのかはわかったけど、コータがまさかという気持ちが妨げるせいか、恥ずかしいくらいに言葉が出てこなかった。
「もう、リクさん変に鈍いとこあるよな」
コータはそう言って、ぼくに覆い被さるように起き上がった。
「わからせるから」
そう呟いたかと思うと、コータの唇が僕の口に重ねられた。
そっと離して、真剣な表情で僕を見つめるコータの顔は本当に綺麗だった。
「…拒否しないんだね」
僕は黙ってうなずいた。
「リクさん。俺がしたいこと、わかる?」
「たぶん俺がしたいことと同じだよ」
「じゃあ我慢がきかなくてメチャクチャになるかもしれないけど、許して。高校のときから、ずっとしたかったことだから」
再び唇を求めあう。すぐに、それは舌が絡む激しいものになった。
そうするうちに、コータのモノが、ハーフパンツを突き上げるように硬くなっているのに気がついた。
(Hな話なのにエロいシーンがなくてすいません! 次で書きます!)