ボクブリに顔をうずめたら、急にゆうじが
「あ、あの、すいません、ちょっといいっすか」
と俺のことを静止してきた。
やっぱいきなりきつかったかな...?
「あ、ごめん、嫌だった?」
「いや、その・・・」
「いいよ正直に言ってくれて」
「嫌とかではないんです。ただ...」
「ただ?」
「なんていうか、かずやさん、俺にカネ的に支援してくれるってことで、で、こういうことしてるわけですよね?」
「まぁ・・・」
「なんでそもそもカネ出すって思ったんですか?」
「それは...」
「俺がカネ困ってそうに見えたとかですか?」
「いや、そういう意味じゃなく。。。自分みたいなサラリーマンで、ゆうじみたいな学生の子、まして同性同士、普通に考えたら嫌だろうなって思って。だからサポするくらいのことしないと、相手にされないかなって思って」
「つまり、自分に自信がなくて、カネで買うみたいなことですか?」
「んん・・・まぁ、そういわれたらそうだね・・」
なんか急に痛い急所を痛烈に突かれて、返す刀もなくなってしまった。
ゆうじは起き上がり、俺の顔を見つめながら、
「でも、そもそも、俺のことなんか好いてくれてるんですよね?それが見た目とかニオイとかから入ったとしても?」
「うん、それは確実。それに今は接してみて性格的にも好いてる。。。」
「ですよね。俺も、同性うんぬん抜きにしても、今日みたいにいきなり声かけてもらって、びっくりもしたけど嫌な感覚、なかったです。俺で興奮してくれるんだとしても、それでもです。ある意味、異性にそう思われるよりも同性に思われる方が嬉しいというか。。。」
「あ、、うん。ごめん。なんかありがとう。」
「だから、俺としては、その。。。なんというか。。」
少し彼も考えるのに苦戦して言葉が紡げないみたいで、俺もあせらず彼の言葉を待った。
「確かにさっき言ってくださったみたいに1万もらえたら、そりゃ嬉しいですよ。ちょっとエロい事したくらいで、1週間食ってけますし。でも。。。」
「でも?」
「その、、興奮してくれるとかも含めて、相性というか縁じゃないですかぁ」
「あ、うん。。。それは確かに。」
「前々からたぶん、かずやさんはエロ目線もあったかもって言いますけど、俺は少なくとも、かずやさんのこと、ほぼ同世代くらいかなーって思って、自分みたいに自炊して頑張ってるやつが、コロナで大変だけどいるんだなーって思って、で、そういうとき、目が合ってたんだと思います。だから、、、」
俺はだまって聞く。
「話しかけられたときは、正直嬉しかったていうか。普通に、なんか仲良くなれる、人と知り合える、最初の入り口って感覚がして。スーパー一緒ってことは近所なわけでー。で実際、近所だったし。。。」
「ゆうじ、いいよ、ゆっくりで。言いたいこと聞かせて。」
「だから、俺が言いたいのはー・・・、カネ渡されてエロい事だけしてバイバイってなったら寂しすぎます。。。」
少し悲しそうな表情で精いっぱい出した言葉って印象だった。
「ごめん、ゆうじ。そんなつもりじゃなかったんだ」
「俺がカネちらつかされないとかずやさんを相手にしないって、何も俺のこと知らないのに最初から決めつけられてて、ちょっとつらくなって。。。できたら、今日話しても普通に楽しいし、社会人してるとか年の差とかぶっちゃけあんま感じないし、近所に年上の友達ができた、っていう感じがいいなって。仲良くしたいなって思って。カネで終わりの関係はいやだって。」
「ごめん、ごめんよ。俺も決めつけすぎて、変なことを最初に切り出してしまい申し訳ない。。。もうそういうことしないで大丈夫だから。。。」
「…いや、別に俺で興奮してくれるなら、かずやさんに応えたいし、好きにしてくれていいんです。」
「え?」
「んー、だから、俺のことで興奮してるかずやさんさっきから見てて、それはそれで、そそるっていうか。。。もっと喜んだり興奮してるところ見たいってのはあるんです。大の男のひとが、俺のことで、俺の前で興奮してるシチュなんてなかなかないっていうか。。。嬉しいは嬉しいですし。」
「まじで言ってる?」
「かずやさんが嬉しそうなら、痛いこととかじゃなければ大丈夫です。でも、カネと引き換えっていう無機質な関係なら嫌です。。。すいません、生意気なこと言って。。。」
「でも、バイトも少ないとか収入減ってるって言ってたよね?困ってるは困ってるんじゃ?」
「まぁそう言いましたけど、それはUber増やしたりなんとかなります...でも人との縁は簡単には手に入らないから...」
なんていいこという子なんだ。。。
俺は俺で心の底からさっきまでの発想が恥ずかしくなった。
「したいことは全然しちゃいましょう☆でも、お金はいいです。。。それでバイバイとか、家帰ったら俺病みます。。。そんなんだったら、一緒に夕飯食べてご馳走になったりする方が100倍いいです。エロ友達みたいなのでいいから、カネは介在させたくないです」
自分の浅はかさを心底感じさせられた。
「すまなかったね。ゆうじの言う通りだよ。俺が浅はかだった。ゆうじが気になったのは、もちろん見た目もそうだけど、今はいい性格してるなとか、こうやって部屋に入れても気楽だなとか、でもめっちゃタイプにはまってるとか、色々あるけど全部好意だよ」
「ですよね。俺もそうです。年上とか同性とかきもいとか無いです。こういう人もいるんだ、くらいだし、おっさんずラブとか見たし、ある世界だよなーって。恋人とか付き合うは分かんないけど、気持ちいいことしようぜってだけなら以外にイケそうですし。実際、過去の先輩ともそういうのありましたけど、仲良いです」
「そ、そうなんだ」
「だから、気持ちは有難いですけど金払う嫌いなら、夕飯ごちそうしてください笑 で一緒に食べたいです」
くはぁー、なんてかわいいこと言うんだー!!
さっきまでオスくさいところばかり感じてたのに、とたんに可愛げもビンビンに感じて、とっさにハグしてしまった。
ゆうじもぎゅっと俺に抱き着いてくる。
「かずやさん的に俺が結構ストライクなら、それはそれで俺も嬉しいです。だから、今日だけの関係とかは嫌です」
「わかったから。ごめん。」
ゆうじを撫でて、俺も真面目に謝った。
「じゃあ今日だけでないって言ってくれます?普通に、他の時も遊びに来たり、飯食ったり、んー、できたらカラオケ行ったり遊んだりもしたいかもです」
「もちろん、ゆうじさえ良ければ!!」
「俺も不思議なんです、さっきまであんなに色々されて、本当は嫌なハズなんだけど、嫌じゃなかったっていうか。好いてくれる気持ちに応えたい気持ちが強くなってきて。」
「ありがとう、そこまで考えてくれる子にばったりでも知り合えて嬉しいよ」
「あざっす☆じゃあこのあと晩飯、一緒にお願いしますっ」
「そんなんで良ければもちろん☆」
ゆうじはニコッと笑い、再びソファーに寝そべった。
「かずやさん、続きしたかったんでしょ? ・・・いいよっ・・・」
また寝そべってボクブリを見せつけてくる。
「こんな話して、それでいいの...?」
「ぶっちゃけ俺もちょっぴり興奮はしてました笑 だから来てっ・・・」
俺の腕をとり、体を寄せ付け僕は彼の体に倒れ込む。
もう一度、彼の股間から上半身が眼前に。
「かずやさん、まずはハグしましょ」
ゆうじは上に覆いかぶさる僕の背中に腕を回し、強く引き付けた。
「うわっ・・・改めてだと恥ずかしいよ笑」
「金払うっていう捨て鉢な気持ちが無くなった今の方が絶対いいはずです。恥じらいがある方が友達だったとしたら普通ですよ」
僕はいったん上体を起こし、彼を見下ろすと、改めてかっこかわいい顔に脳天やられちゃう。
「イチャイチャしましょー」
ゆうじはまた強い力で僕を引き寄せた。
「息できないって」
「いいからいいからー笑」
彼のしっとりした肌に頬を打ち付けながら、しばらくその余韻を楽しんでお互いに抱き合っていた。
(すいません、またつづきます汗)