朝9時頃にラブホを出てロードバイク専門店へ。修理に時間がかかるとのことで二人で近くの喫茶店で朝食をすることに。
「何か昨日、今日と目まぐるしく色々なことが起きてますね。自分でもビックリしますよ!」とゆうた。
「そだね!でも、日本横断の楽しみの一つに
色々な人との触れ合いや体験したことないことにチャレンジするのもいいのでは?」
「確かに。でも駿平さんと出会たのは本当に収穫でしたよ!」
「ありがとう、俺もゆうたくんと出会って色々な話し聞けたし体験できたから。」
そんな会話をしているとゆうたの携帯がなる。
「あ、そうですか、わかりました」とゆうた。
「どした?何かあった?」と心配する俺。
「いや、さっきのロードバイク店からで…」
「あ、修理終わったか」と俺。
「いや、パンクだけじゃなくてブレーキ関連の部品を交換しないと危険だと…それで部品取り寄せを急いでも明日。つまり今日は引き渡しが難しいって言われて」
「え、そうなんだ。でもしっかり修理しないと危険だしね。仕方ないよ。もう1日の辛抱だよ」と俺が言うと
「そうですね」とテンション低めのゆうた。
「どした?早く行きたかった?」
「いや、バイクのことは仕方ないのですが
今日どうしようかなと思っただけです。」
「良かったら俺休みだし一緒に遊ぼうよ!」
「あ、はい、いいんですか?」
「別に遠慮することないよ、ここら辺を観光案内するし、何もない田舎だけど…」
「ありがとうございます」
「あ、ゆうたくん、その敬語やめて。あと駿平さん、じゃなくて駿平って呼んで。」
「はい、じゃ、俺もゆうたで」
「よし、ゆうたどこ行きたい?」
「え、行きたい所っていっても…」
「じゃとりあえず、ここ出ようか」
「観光っていってもな、何あるかな?」と
迷ってる俺。
「ちょっとコンビニ言ってきていいですか?
お金下ろして来ますので…」
「あ、いいよ、じゃここで待ってるね」
コンビニから戻ってきたゆうた。
「はい、コーヒー」
「ありがとう」
「良く考えたら昨日から駿平さんにすべて出してもらってて、本当すいません、コーヒーくらいはと思って」
「いや、それよりさん付は禁止だから。」
「はい、駿平」とゆうたが言って互いに顔をみて微笑んだ。
「ゆうた、肉好き?」
「はい、好きというか大好物です」
「じゃ牛肉食べに行こうか、少し離れてるけど牧場があって、そこで美味しい肉食べれるんだ!」
牧場に向かっているが何かゆうたの元気がない。
「ゆうた、どした?あんまり元気ないようだけど…本当は肉嫌い?」
「いや、大好きですよ、ただお金もないのにそんな高価なもの食べて大丈夫かなって」
「あ、お金のことなら心配しないで、俺が奢るから。出世払いで」
「いや、ずっと駿平に奢って貰ってるので悪くて」
「本当気にしないで。ゆうたが凹んでる顔見てる方が嫌だわ。お金なんて働いてるから心配しないで。ほら、楽しく行こう、ゆうた」
牧場に着いたのが10時30分過ぎ。
ランチまてまだ早い。
「乳搾り体験でもする?したことある?」
「ないよ」
「そっか、女の乳搾りはあっても牛のはないか」
「駿平、女もないよ」
「はい、はい」
「いや、本当だよ」
「え、女性とHしたことないの?」
「ないよ」
「え、童貞?チェリーボーイ?」
「そうだよ!駿平が勝手に女の子にモテるだろうとか決めつけてるだけじだよ、自慢することじゃないけど」
「なるほど」
「駿平、いまから肉食べるのに乳搾りって何か食欲が減退するから辞めとく」
「確かに!良く考えたらぐろいな」
「何かアルバイト募集って張り紙はってあるけど短期間でもいいのかな?」
「え、ここでバイトしたいの?ってか、する気なの?」
「いや、したい訳じゃないけど、お金が欲しくて」
「お金?さっきコンビニに下ろしたんじゃないの?」
「うん、下ろしたよ、ただ元々銀行口座にそんなお金あった訳じゃないし、バイクの修理代が…」
「ロードバイクの修理って高いの?」
「パンク自身は数千円だと思うけどブレーキ関連の部品交換になると数万はするかと」
「そうなんだ、それでバイトを考えたってわけだ」
「そう」
「なるほどね、じゃ俺がお金用意するから心配しなくていいよ」
「そんなの悪いよ、そこまでは、俺のこと全然知らない他人なのに」
「もちろん、お金はあげるんじゃなくて貸すだけだよ、ならいいでしょ」
「いや、借りるっていってもいつ返せるかわからないし」
「じゃ何か担保で物を預かるよ、何かないの?」
「そんな高価なものなんて持ってないよ」
「一番高価なものは?」
「ロードバイクかな」
「じゃそれを担保にしようってそれ担保にしたら意味ないな」と二人で笑った。
「じゃ、ゆうた自身を担保にするか、ゆうたにバイトしてもらうか」
「駿平、どういう意味?」