永久が県外の学校に行って数ヶ月が過ぎた。
LINEで連絡を取ったりしているし、たまにLINE電話もする。
学校はコロナの影響でオンライン形式で月に数回だけ通っているようだ。
しかしながらなかなか帰省しなかった。
どうやらバイトが忙しいようだがバイトの内容については、教えてくれなかった。
そして、8月にやっと帰省するとの連絡があり、俺は駅まで迎えに行った。
新幹線の改札口で永久を待つがなかなか現れないと思っていた瞬間
「ゆうすけ、久しぶり、お迎えありがとう」と声をかけてきた。
その姿を見て俺は驚いた。
「永久?」
「何言ってるの、ゆうすけ」
永久は完全にあの時と変化していた。
髪の毛は茶色でパーマがかかっていて耳にはピアス、服装もきまっていた。
芸能人やモデルって感じのオーラがあった。少なくともこの駅内には不釣り合いで目立っていた。
車で永久のリクエストの喫茶店にいき、オムライスを頼む。
「永久、何かモデルみたいだな」と俺が言うと
「ゆうすけ、それ何回目?そんなイケてる?
惚れ直した?」と照れ臭そうにいい返す。
「永久は何のバイトしてるの?LINEではあった時に話すって言ってたから教えて」
「気になる?」と永久はスマホの画像を俺に見せた。
そこには様々な格好をした永久が写っていた。
「え、何これ?」と画像をみても理解出来ない俺に永久は
「いまバイトでモデルしてる」と。
「マジで?モデル?凄いじゃん、永久」と喜ぶ俺に
「ただのバイトだから。事務所に所属しているわけじゃなくてバイト。」
永久いわく、こう奴は沢山いるらしい。
「今度は俺が質問する番です。ゆうすけは恋人できた?」
俺は口に含んだ水を吹いた。
「はあ、そんなのいないよ」
「なら、よろしい。っか、たくまとはどうなの?LINEで聞いてもはっきり答えないし」
「あ、まだ4.5回くらいしか会ってないかな」
「へぇ、そうなんだ。何で。タイプじゃなかった?あいつチンコでかいっしょ、可愛い顔して」
「いや、別にタイミングの問題かな」
「たくまとはLINEしてないの?」
「してないよ、メールだけ」
「そうなんだ、たくまとも全然連絡とれてないからだけど、あいつ本当に女好きだし、モテるからな」
「完全にノンケなんだよ」と俺が言うと
「ゆうすけ、俺も最初はそうだったんですけど…誰かさんのせいで」
「何?誰かさんのせいって…本当の気持ちは?」
「ゆうすけ?好きだよ」と笑顔で俺を見つめる。
思わず笑みをこぼす俺。
「俺も、好き」
「え、誰を、はっきり主語いわないとわかんないよ、誰をなあに?」
「永久を好き」
それから互いの近況を話し合い、ラブホへ。