深呼吸して心を落ち着かせた。
そして、
「ずっと言わないでおこうと思ってた。
でも斎藤くんが、さっき(今でも?)って、言った時、
俺も自分に正直になろうと思った。後悔しないためにも。
俺がゲイだってこと、分かってるよね?」
『ぅ、うん、でも、いきなりなに言い出すんだよ?』
「だからゲイの俺のこと、どう思ってた?」
『どう思ったかって?なんでそういうこと聞くんだよ。
嫌だったら会ったりしない。それは岡田くんだけじゃない。
その事(ゲイ)で俺たちの間に、なにか問題あった?』
『聞いた時はビックリした。でもイヤだなんて思ったことないよ。
ゲイだって言ってくれた時、俺言ったよな?その時と今も同じ。』
「・・・・」俺は嬉しかった。
斎藤くんに思いを伝えなければ、、。
どんな風に言えば良いのか分からなかった。
頭ん中は混乱していたが覚悟を決めた。
「初めて会ったときから、いつも気になってた。
会って、話すだけでもワクワクして楽しかった。
でも本当の気持ちは言えなかった。それが辛かった。」
「会わない方がいい、でも会いたい。そんな繰り返しだった。
今こうして話してても体が震えるくらい緊張してる。」
「これからも今みたいに、バカやったり、
言い合ったりしても直ぐに打ち解けられる。そんな関係を続けていけたら嬉しい。」
精一杯伝えた。
心臓がバクバクしてた。
斎藤くんは黙って聞いてくれていた。
ちょっと照れ臭かった。
狭い部屋の中では決して言えない、と思った。
きっと広い海が後押ししてくれた、そんな気がした。
綺麗な砂浜も見えない、綺麗な灯りも見えない、決して夜景の綺麗な場所でもない。
でも、わざわざここへ連れてきてくれて、
嬉しくて、嬉しくて、、仕方なかった。
出 会 っ て く れ て あ り が と う 。
心からそう思った。
きっと斎藤くんにとって、夜の海って誰にも奪うことのできない、
気持ちを落ち着かせてくれる、自分だけの特別な場所なんだと思った。
それと同時に、身震いしてしまうような緊張感が体中を走った。
誰か見ているかも?でもかまわない。
泣いてしまった・・・。かなり声を震わせて・・・。
泣き顔を見られたくなくて、体育座りしていた両膝の間で顔を隠し涙を堪えた。
『バーカ、、』斎藤くんも涙声だった。
嬉しさと寒さで、涙と鼻水がでてしまう。
頬を伝わり口に入ってしまうので、時々空を見上げて鼻を摘まむ。
「ティッシュ持ってる?」声を震わせながら聞いた。
『持ってないの?』
俺は首を縦にふった。
『ホラ、』そう言ってティッシュを取り出し『こっち向け!』と言う。
斎藤くんの方に顔をむけると、『すんげぇ顔してる。』っと、笑う。
「うるせぇ、いいからよこせ!」
見上げると夜空には【オリオン座】が輝いている。
鼻水をすすりながら涙目でじっと見ていた。波の音が心地よく響く。
今だけは波の音の中で夜に溶けていたい、そんな気持ちになっていると、
突然『ションベンしたくなった。』と、
ったく、雰囲気台なしだ、覚えとけよ、アホ斎藤!!(←心の呟き)
2人で海に向かって仲良く放物線を描く。
冷たい空気に晒されて温ったかいションベンが臭う。
俺は思わず、「もっと離れろ!」
『テメェ、このまま冷たい海に放りなげるぞ!』と、斎藤が言った。(怒)
寒くてかなりの量のションベンが・・、斎藤くんのチンコを覗いた。
『なに、見てんだよw ホラっ、、』そう言って俺の方ににチンコを向けた。
「な、なにすんだよw かかってしまうだろ!」。。。