手を引かれて歩く先に何があるかは知っていた。
体育館2階の狭い通路をステージの方に歩いてくと、2つの小さな放送室があるのだがそのうちの1つはひどい状態の物置と化していて、大地震でも起きたんかってぐらいガラクタが散乱していて足の踏み場もない。
そこはヤンキーとか盛ったカップルがたまに利用していると噂の部屋で基本まともな奴は近づかない。
まさかあそこに行くのかな…
と言うかこの先はあの部屋しかないよな…
怖いし股間痛いし最悪。。
立ち上がってからずっと握られてる右手も痛い。
デカイ図体なだけあって力もゴリラ並かよ…
てゆーか鍵閉まってるんじゃ…
ガチャッ。
扉は普通に開いた。
T:入って
俺:ん…
カチッ。
Tが鍵を閉めた。
俺:あの…Tくん?
T:よーし、ここなら誰も来ないっしょ!
見せっこしようよ!痛いのはよくないんだよー
俺:でも俺…恥ずかしいんだけど…
T:大丈夫大丈夫!俺しかいないんだから!
いや何が大丈夫なんだよ…
人に見せた事なんかないっつーの!
トイレでも極限まで便器に引っ付いてしてるのに!
T:あー小さくなっちゃったから、もっかいくっつこ?
俺:え?えっいやあの…
T:ほら、こっち(足元を指さす)
俺:う、うん
Tはガラクタを足でどかすと狭いスペースを作った。
またそこに2人くっついて座るけど、今度は足をぷらんぷらんできないので2人であぐらをかいた。
なんかまたTは後ろから強く抱き着いてきて顔で背中をぐりぐりしてる。
少しずつ顔が動いてまた首のとこに顔が。
俺実は首が弱いんだ。
当時はくすぐったいだけと思ってたけど。
Tは俺の首に顔を押し付けて口を開けて大きく息を吸う。
匂いを嗅がれてる風なのが恥ずかしいけど、噛み付かれるのかとも思って不安だった。
T:なんかゆういい匂いするよね
何もつけてないけど…
それどころかバスケの試合して汗だくだったのに。
俺:汗かいて汚いからあんま近付かないで…
T:え?全然汚くないけど?これ汗の匂いかなー?興奮するよー
いい加減わかってきた。
Tはもしかしたら俺にエッチな事をしたくて近づいてきたのかもと。
なんで俺に?
匂いをくんくん嗅いでTは変態に違いない。
でも正直俺は少し興奮してる。
誰かにこんな風に求められたのも、興奮されたのも初めてでなんだか照れ臭い気持ち。
あっまた股間に手が伸びてきた…
俺:ねぇTくん、ちん…こ…痛くなるからやめて…
T:でも勃たせないと比べられないよ?ずっと痛いまんまじゃ嫌でしょ?痛くなくなる方法が見つかるかもよ?
うぅ…確かにそれは魅力的な申し出ではある。
勃起しても痛くなくなるならぜひそうなりたい。
俺:……痛くなくなるのかな?
T:俺が知ってる事を教えるよ!
俺:わ、わかった!