K:ちょっとトイレ行かない?
俺:え?うん、いいよ!
K:ちょっとトイレ行ってくる〜
友:あいよ〜
2人で下のトイレに向かった。
てゆーかちょっと表現を間違えた。
そもそも体育館が2階だった。
1階には道場とか卓球場とかがあって、2階に広い体育館。
んで放送室のあるこの通路はそのまた上だから、中3階?
もうわけわかんない…
とにかく2人で下に降りたが、そこら中に人がいて騒がしい。
でもなんか今はこの騒がしさが心地いい。
心のモヤモヤが少し解消される気がするから。
そしてトイレに入って小便器に2人並んで立つ。
K:で?なんかあったんでしょ?
俺:えっ?えっ、なんで?
K:なんかずっと泣きそうな顔してる。
あぁそういう事言わないで…ホントに泣きたくなっちゃう…
K:誰かになんかされた?
俺:な、何もされてないよ!大丈夫!
Kくんにだけは知られたくない。
今日起きた事はKくんにだけは絶対知られてはならない!
絶対軽蔑されて嫌われる。
Kくんは終始納得いかない表情だった。
さっきはアホ共とか言っちゃったけど、仲間もみんな俺の事を心配してくれる。
どういうわけか俺の事をすこぶる嫌って目の敵にする男子が1人クラスにいるんだけど、ある日また俺にちょっかいを出してきた時、みんなブチ切れてそいつとやり合ってた。
嬉しいな、みんな優しくて大好きだ。
だからこそKくんにもみんなにも今日の事は絶対に知られちゃいけない。
なんかとてつもない秘密を抱えてしまったみたいで気が重くて顔に出ちゃってたのかもしれない。
次の日、2日目で最終日でもあるクラスマッチはつつがなく終わった。
たまにKくんは悲しいような目で俺を見てきて、嘘をついてるみたいで苦しくなる。
と言うか、ついてるんだよな…
大丈夫だ、誰にだって秘密の一つや二つある!
でも問題はそんな事じゃなかった。
Tはどんどん大胆になっていった。