「明日だね」
「早く明日にならないかな」
「絶対来てよ」
「楽しみだね」
教室にいるとさりげなくTが耳元で囁いては去っていく。
そう、明日は音楽室を貸し切ってTと甘い時間を過ごす事になっている。
正直どうしようもなく興奮してるし待ち遠しくてしょうがない。
今夜は身体をピッカピカに綺麗にして明日に臨もうと思っている。
男同士のSEXの仕方は少し調べた。
お尻を使ったSEX以外はだいたい既にやっているという事もわかった。
調べた結果戸惑いはしたけど、正直俺は最後までしたいと思ってる。
明日Tのアレをお尻に受け入れる事になるかもしれない、そう思うだけで勃起してない時間の方が少なかったんじゃないかというくらいずっと興奮してた。
その日もいつも通りKくんや仲いい友達と過ごした。
でもKくんは少し元気がなさそうで、なんだか辛そう。
俺は1日テンションが高くて元気だった気がする。
そして俺はついついTの方にばかり目をやっていたと思う。
Tも元気そうだ!
明日の事楽しみにしてるのかな?
さて、明日の根回しを始めよう。
俺:先生、明日の放課後音楽室使ってもいいですか?練習したくて。
先:明日?良いけど、明日はちょっとバタバタしそうなのよ〜
もちろん知っている。
先生が明日、山を下ったところにある系列の高校に行く事は調べがついてる。
俺:大丈夫ですよ〜ぱぱっと練習したら鍵戻しておきますね〜
先:そう?じゃよろしくね〜
俺:は〜い。
完璧だ!
またテンションが上がってきた!
あーキスしたいなぁ。
トイレ行ったらT現れないかな?
すれ違いざまにTのアソコ揉んでみようかな?
触りたい…
そんな風に思ってた日に限ってトイレに現れる事もなく、そして当然痴漢する勇気もあるわけなく普通に1日が過ぎた。
その日は朝から異様にそわそわしてた気がする。
恋人同士が流れでSEXするのとは全然違う、示しを合わせて相引きして隠れてSEXする、こんなの変態以外の何物でもない。
なんだか最初の頃みたいに死ぬほど緊張してきてアソコが縮こまってるのがわかる…
落ち着け落ち着け…みっともないぞ…
あらかじめいろいろ決めておいた。
ホームルームのあと部活生以外の生徒は一気にスクールバスに流れ込む。
その混乱に乗じて職員室に鍵を取りに行き、Tとは普段使わないトイレで待ち合わせた。
笑顔のTがそこにはいて抱き合って軽くキスをした。
うちの科は音楽の授業がないからTは音楽室に行くの初めてでわくわくしてた。
ふいにTに手を握られてビックリしたけど、校舎内は不気味なほど静かで誰かが近づけばすぐにわかる。
もちろん校舎に誰もいないわけではないだろうが、手を繋いでるのを見られる事はないだろうとそのままで音楽室に向かった。
準備室から入ってしっかり鍵を掛ける。
教室とは違って広い音楽室をへ〜へ〜言いながらウロウロしてるTをよそ目に、俺はカーテンを閉めた。
音楽室はフロアの1番端っこで左右を窓で覆われている。
他の教室から見える1面だけカーテンを閉めてもう1面はそのままにする。
こちら側は山だし最上階だから人目はない。
うちの音楽室で机は部屋の後ろに積み上げられて普段使われる事はない。
人に見られる事がないとは言え広すぎて緊張するので、机の間を縫って秘密基地みたいにぽっかりと空いた空間のところにTを四つん這いになって連れて行く。
ここに秘密基地があるって音楽室来慣れてるから知ってるんだ!
というよりむしろ軽く自分で机を積み替えて作った。
向かい合うと恥ずかしくなってくるが、相変わらずTはニコニコ笑ってこちらを見ている。
この変わらない平常心になんだかホッとすると緊張もいくらか解けた気がする。
どちらからともなく手を伸ばすと指を絡ませあってふいに口から出てしまった。
俺:Tくん。
なんで俺今名前呼んじゃったんだろう?
T:なーに??(ニコニコ)
引き寄せられるようにキスをした。