俺が起きたのはもう早朝で、外が少し明るくなった頃でした。服は着ていませんでしたが、掛け布団はかかっていて、マッケンは帰り支度をしていました。俺が起きたことに気付くと、「あ、起きました?」みたいにちょっと素っ気ない感じでした。俺が寝ている間に合宿中に着た服とか下着を近所のコインランドリーに行って洗ってくれたみたいでした。俺の荷物も全部整理されていて、ボストンバッグは俺が詰めたときより空きが広くなってました。
マッケン 「コウヘイさー、エッチの途中で寝ちゃうのはマナー違反だよ。俺、今夜は寝かさないっていいましたよね。コウヘイが俺のこと好きっていうのは知ってるけど、いってくれなきゃわからないし、付き合うって決めたんだから、俺のこと気持ちよくさせてくれないとダメなんじゃないかな。ま、俺がついてないとコウヘイは人とうまく付き合えないから、俺はコウヘイのこと守っていくけど」
と、とても怒られました。マッケンは、俺の意識が急に飛んだので、幸せすぎて本当に死んじゃったのかと2秒くらい頭が真っ白になったそうです。でもすぐに寝息を立てだしたので、俺が告白もできずに1年以上過ごして、やっとお互いの想いが通じたと思ったらこれかと怒りがこみ上げてきたそうです。マッケンは、いろんな方法で俺に気持ちが伝わるようにしたこと、何とか俺とエッチしたくていろいろサインを送ってたこと、それなのに、俺がことごとく素通りしてしまったことを理詰めでいろいろ言ってきて、俺は言い返せなくて泣き出してしまいました。俺も理詰めなので、高校まで口げんかで負けたことはなかったんですが、対マッケンだと、理屈でも感情でも完全に敗北してしまって、俺は鼻水垂らしながら泣いちゃいました。
俺 「俺が意気地のない男でごめん。マッケンのことは心の底から愛している。一生大事にするって約束する。だからあんまりキツいことはもう言わないでください」
マッケン 「先輩、ごめん、俺言い過ぎた でも、今日からはコウヘイって呼ぶから。それで許す」
それから東京に戻って、大学の後期が始まる前に、マッケンは俺のアパートに引っ越してきました。大学が始まるとマッケンは俺のことを本当に呼び捨てにしだして、俺との距離が異常に近づいたので、感づいた人は感づいたみたいです。するとマッケンは、俺と合宿の延長をして2泊してきたことをみんなにしゃべってました。そのころ、俺もマッケンも彼女とはうまくいってなくて、半分フリーみたいな状態でした。マッケンなりに、コウヘイは自分のもの、手を出すな、という宣言だったみたいです。俺とマッケンが付き合っていることは、その後学内でも話題になり、応援してくれる人、見下してくる人、遠ざかる人、いろいろいたけど、大学は卒業して、いまは二人で買ったマンションで一緒に暮らしてます。俺とマッケンが出会った映画系のサークルは、俺達が卒業して2年くらいして、ちょっとした問題を起こし、いまはもうありません。
ちなみに、マッケンが俺の布団に潜り込んで撮影したのは俺の寝顔とか下着姿ばっかりで、暗いので写真としてはうまく撮れていませんでした。寝ている間に握ったりしてイタズラみたいなことは散々しつくしたそうです。あと、俺がセックスの最中に寝ちゃったあとも撮影されていて、そっちはヌード写真集みたいに、俺の裸とかチンコとかあらゆる箇所が写ってました。俺が寝ちゃったことの罰として、永久保存するそうです。射精後に睡魔が襲うのはホルモンが切り替わるからで、男性の生理現象だから仕方がない、突然寝ちゃうくらいにホルモン分泌の切り替えがあったということは、寝なかったマッケンより俺のほうが愛している証拠じゃないかといっても「うぜぇ」とひとことで済まされちゃいます。マッケンの若いときの裸も撮っておけばよかった、というのが俺の学生時代の最大の反省点です。
というわけで、美少年系後輩を恋人にした話でした。