「光輝、どうかしたん?」
どうやら友也はうかない顔をしていた俺を心配してくれているらしい。
「ぁ…いや〜別になんでもないんやけどな」
裕二との関係で悩んでることなんて人に軽く相談出来るもんじゃない。
「別になんもなくてこんなとこ20分以上もおるかぁ〜?」
俺がここに閉じ込もってからもう20分もたっていたらしい。
「裕二と何かあったん?」
俺はその質問に冷や汗が出た。
「なんで裕二なん?」
「だって光輝いっつも裕二と帰りよるのに、さっき裕二一人で帰りよったから。」
一方的に避けたのは俺なのに、裕二が一人で帰ったと聞いてものすごく心が痛くなった。
恋とは自己中なものである。
「喧嘩したん?」
「いいや〜そんなこともないねんけど…まぁ…喧嘩というか…喧嘩ではないんやけど…」
「あ〜わかった、裕二が他の男と仲良くするんが嫌なんやろ」
また俺の体に寒気がはしった…
「確かに裕二とは仲良いけど、なんで俺が裕二に嫉妬せなあかんねん」
「だって光輝、裕二と付き合ってるんやろ?修学旅行の時人前であんなことして…」
友也は俺を見てニヤッとした。
体全身にまた寒気がはしり鳥肌がたった。
修学旅行の夜、クラスメイト達の前でやった行為を暗闇の中友也には見えていたのだ。
「あの…と…とも…ゃ」
俺は泣きそうな顔をして友也の顔を見た。
「まあ安心して、クラスの奴には内緒にしといたるから…条件付きでな」
《条件》
こんな場面だ…きっとろくな条件じゃないだろう…けど、クラスメイトにバレる訳にはいかない。
「・・・条件って?」
俺がそう言うと、友也はトイレに入り ドアと鍵を閉めて俺にせまってきた。
そしたら友也は俺のモノに軽く手をあててきた。
「俺も裕二と同じようにしてよ」
それは予想もしていなかった言葉だった。