次の日から自由行動になり2日間を過ごした。
最後の夜は土産物などを買いに行く為の自由時間があり、ヒカルに誘われて一緒に外に出る事にした。
家族へのお土産と、2人の記念にって事でお揃いのキーホルダーなどを買いホテルに戻る。まだ少し時間があるのでロビーで寛いでいく事になった。
光「学園祭が終わったらさぁ、どこか旅行に行こうぜ」
俺「うん、いいね!」
光「どこがいいかな」
俺「寒くなるし温泉とかは?」
光「そうだな。じゃ考えておこうぜ」
話してからふと考える。
俺『カズヤとの事を話しても一緒に言ってくれるだろうか…』
しばらくヒカルと話しているうちにカズヤ達が帰ってくるのが見えた。
俺達に気づくとカズヤだけが近づいてくる。もちろんヒカルがいる事も分かっているはずだ。
和「どこにいたんだよ、出かける時に探したんだぜ」
俺「ごめんね。先に出ちゃったからさ」
和「2人で出たの?」
ヒカルの方を向いて聞いた。
光「そうだよ。仲良しだからな」
ヒカルは別に嫌味な言い方でもなく普通の顔で返事を返した。
和「そっか。一緒に話に加わっていい?」
光「構わないよ」
カズヤは俺の隣に座る。
俺『なんかイヤな予感がする…。不安になってるのは俺だけだろうか』
和「何話してたの?」
俺「特別な事じゃないよ」
とりあえずそう答えた。
光「今度2人だけで旅行へ行こうって話だよ」
俺はチラっとヒカルの様子を窺ったが特に変わりはない。
俺『俺が特別じゃないと言っているのに、わざとヒカルは旅行の話をした様にも感じる。しかも2人でとはっきりと言った。挑発なのかな…』
和「仲が良いってのはいいよな。2人でなんて羨ましいよ」
カズヤも普通の表情で返す。
和「また2人で日焼けでもしてくるのか?」
俺の方を見て言った。
俺『きっと競パン跡のことを言っているんだ。今度はカズヤの嫌味か…。競パン跡を知っていると主張したんだ…』
俺も冷静な顔をするように心がけてはいたが、内心カズヤを殴ってやりたかった。
光「これからの時期に日焼けはないだろ。温泉だよ」
和「そっか、そうだよな。あんなケツの日焼け跡なんてなかなか人に見せられないもんな?」
俺「カズヤ!」
和「冗談だってば」
俺にそう言った後、ヒカルの方を向いて笑いながら言う。
和「みんなで大浴場に入った時にチラっと見えたからちょっとカラかってみただけだよ」
カズヤはギリギリの線で嘘をついた。
光「可愛いかっただろ?シュウにはあれが似合ってるよ」
ヒカルは平然として言う。これも意識的な発言か、普通に言っただけなのか判断がつかない。
和「シュウの白いだけのケツは見た事がないからどっちがいいかわかんないよ」
そう言って立ち上がった。
和「じゃ俺先に部屋に戻るよ」
光「じゃあな」
カズヤが立ち去るのを見ながら少しだけホッとしたが、恐る恐るヒカルの様子を窺った。
光「アイツさぁ大人しいって聞いてたけど、割り合いそうでもないな。結構自分から話すじゃん」
俺「一度話した事がある人には話しやすいかららしいよ」
光「そうなのかな」
実際にはヒカルの事を話しやすいって思ってたのか、単に挑発してたからなのかは分からない。ヒカルもそれ以上は言わなかったので、ヒカル自身がカズヤに敵対心を抱いていたのかどうかも分からなかった。
光「じゃ俺も戻るよ。また明日メールでもするよ」
俺「わかった」
そう言って別れ、部屋に戻る通路を歩きながら考えていた。
『ヒカルとカズヤがお互いのことをどんな風に思っているのかが全くわからない。ただお互いの悪口だけは聞いたことがない。でもカズヤの家での出来事はさっきの2人の会話で余計話しにくくなってしまった…』
少し途方に暮れながらそう思っっていた。
次の日修学旅行先から戻ってきた。
色々と冷や冷やした事でもあったが、それなりに楽しんだ旅行であったかも知れない。人生の中でそれほど何度もあるものではないし、全体としては心に残る良い思い出になったと思う。
それから11月初旬にある学園祭まで1ヶ月程度しかなく、学校中が慌ただしい雰囲気に包まれる事になった。2年生だけは修学旅行もあった為にさらに忙しい日々となる。
学園祭は3日間に分かれていて、1日目はクラスの催し物中心、二日目は体育祭、3日目は文化祭となっている。
毎年この時期になると準備時間が足りなくなってしまう。学校に遅くまで残っていたり土日返上でクラスの催し物に没頭していても、結局は学園祭ギリギリになってしまうのが常だ。今年も例外に漏れず寸前まで忙しい日々を過ごした。
ヒカルなんかはあまり積極的に参加するっていう感じではないが、それでも何かしら用事があり昼休みさえほとんど会えずにいた。
そんな感じであっという間に学園祭当日を迎えてしまう。
逆に始まってしまえば後は楽しむだけだ。日頃のうっ憤を晴らすように羽目を外す。またそれをしても許されるのが良いところでもあるわけだ。
2日目の体育祭の日の昼休みにヒカルに呼び止められた。
光「午後から何か出る種目あるのか?」
俺「午前中で終わったよ。あとは見てるだけだね」
光「おぅ!ちょうど良かった」
急に耳打ちしてくる。
光「後でやろうぜ」
俺「何を?」
光「何をはねぇだろ。久々なんだから」
俺「マズいよ」
光「構わないさ。グラウンドから一番遠いところのトイレなら誰もこないしいいだろ?」
俺「見つかったらヤバいでしょ。週末とかはどう?」
光「ダメだね、我慢できないから。決まりな!」
確かに修学旅行前からヒカルとはしていない。無理もないところか。
俺「…分かったよ。後で声かけて」
すんなり受け入れてしまった。
光「じゃあな」
昼休みが終わり一旦グラウンドに出たものの、すぐにヒカルが来て目で合図をして通り過ぎていった。俺も黙って少し距離をおきながら後を着いて行く。少ししてヒカルに追いついた。
光「楽しみだな」
俺「うん。でも入れることは出来ないからね」
光「じゃそれは週末にって事でいいよ」
もう次の事まで考えている。
一緒にトイレに入り一番奥の個室まで行った。中に入るといきなりヒカルは抱きしめてくる。
光「マジ久しぶりだな」
きつく抱きしめたられた後、貪る様にキスをして来た。いつものように濃厚なキスで、俺も久々のキスに酔いしれる。
今日はお互いジャージなので脱ぎやすい。ヒカルは我慢できないのか自分でジャージもボクサーも下ろし、俺の頭を掴んで誘導した。
俺もたっぷり唾液を使ってヒカルのモノを咥えたが、相変わらずのデカさに少し閉口した。
光「うぅ…気持ちいいな…もっと奥まで咥えろよ」
頭を掴んでグイグイ奥まで押し込んでくる。できるだけ舌で裏筋をなぞるようにすると、ヒカルも少しずつ腰を動かし声を荒げてくる。
光「あぁぁ…ダメだ…ペース早すぎだよ。ちょ、ちょっと待った」
立ち上がらせ俺のジャージを下ろした。
光「なんだ。同じボクサー履いてんじゃん。あの時に買ったやつだな」
俺の家に来た時のヒカルのプレゼントだ。
すでに先走りでびしょ濡れの亀頭をヒカルは舌で舐め取った。
俺「あぁぁぁ」
声が出ないように耐えていたが、敏感な部分を攻められ思わず腰を引き声を出してしまった。そんな腰を掴まえ逃げない様にして指でケツの穴を弄る。
俺「ヒカル…ダメだよ…俺も我慢できない」
お互い久しぶりの感覚にすぐに感じてしまう。
光「我慢できないか?じゃあれをしようぜ」
ヒカルが一番好きなのは2本一緒に掴んでシゴく事だ。立ち上がり、俺の腰を引き寄せ自分の腰に密着させて擦りつけて来た。
いつもはヒカルが2本掴んでシゴくが、今日は俺が掴んでみた。身長が同じくらいなので立っていても高さがちょうど良い。
余裕が出たヒカルは両手で俺の顔をつかみ俺にキスをしている。
やってみてわかるが俺の手では2本掴むのが大変だ。うまくシゴけず俺はヒカルのモノだけを握って裏筋中心に攻めてやった。
光「うぅん…俺ばっかり攻めんなよ」
結局いつも通りヒカルが2本まとめて握る事になる。
やっぱりこれだ。この大きい手でシゴかれるのが一番感じる。
俺「…やっぱりヒカルの手が一番だね」
光「…裏筋が擦れてすげぇ気持ちいいな…すげぇ…うぅ」
俺「俺も…いぃ…」
ヒカルの手は段々スピードを増していく。立っていられないくらいのどうしようもなく気持ち良い感覚が迫りヒカルに縋りついた。
すると急に手が止まった。
光「やっぱりシュウの口の中でイキたいな。いいか?」
俺は頷いてヒカルのモノを再度口の中に入れた。
頭を掴んで最初からかなりの早さで腰を動かす。イヤらしい腰の振り方だ。
光「あぁぁぁ…ダメ…だ…すぐイキそうだぜ」
一段と腰を使ってくる。
光「シュウ…いっか?…うっ…イクょ…いっ、イクっ」
ヒカルのモノが口の中で一瞬膨らみ、一気に放出してきた。ヒカルも膝が震えている。
喉の奥に精液が貯まっていくのが分かる。久しぶりなのかかなりの量を放出した様だ。
出し終わりヒカルは俺の口から引き抜き、俺はヒカルの出した精液をすべて飲み干した。
ペーパーできれいにしてあげると、ヒカルは俺を立たせ咥えようとした。
俺「俺はヒカルの手がいいから」
光「わかった」
ヒカルは俺を壁の方に向かせ足を開かせる。そして後ろから俺のモノを握りシゴき出した。
左手は上着の中に入り込み乳首を痛いくらい強引に攻める。さらに口で俺の耳を噛む。鏡がないだけで、いつものイヤらしい攻めと同じだ。
ヒカルの大きい手は、あっという間に俺を快感の極限まで持ち上げていった。
俺「ヒカル…もうイクから」
光「いいよ、全部だしちゃいな。見ててやるから」
この言葉もイク瞬間の恒例だ。それを聞いて絶頂に上り詰める。ヒカルの手の強さが一段と強くなった。
俺「イクっ」
壁に向かって激しく跳ばした。何回も出てくるのを自分で見ながらさらにイキ捲る。ヒカルに負けないくらいのスゴい量だ。
光「あいかわらずスゴいな」
俺「ハズいから言わないでよ…」
ヒカルの腕に支えられ、久しぶりの快感を味わった。
しはらくの間後ろから抱きしめられ、モノを出したまま放心状態でいた。
しばらく快感に浸った後、急いでトイレを掃除する。マナーを守る事とバレたらヤバいのできちんと後を残さずに出る事にする。
光「気持ちよかったよな」
俺「ホントだね、よかったよ。でも早く行かなくちゃ」
2人でトイレを出たが、来た時と同じように距離をおいて戻る事にする。グラウンドに出てみんなに合流した。
何事もなかったように人混みに吸収されていく。何とかバレなかった様だ。
ただ1人、カズヤだけが話しかけてきた。
和「どこか行ってた?」
俺「トイレだよ。食べた後だったから急に、ねっ」
和「1人で行けないのか?2人じゃないとダメか?」
カズヤには間違いなく知られていた様だ。
俺「別に…」
特に反論はしない事にする。俺としてはあれ以来カズヤに負い目があり、あまり反論できない気持ちもある。
和「バレないように気をつけろよ」
どういう意味で言ったのかイマイチわからない。
俺『誰にバレないようにって事だろ…』
カズヤもそれ以上は触れてこなかったので結局分からずにいた。
結局学園祭も終わり、落ち着かないまま12月の期末試験へと進み、夏休み後の忙しかった時期も慌ただしく駆け抜けていった。
もう季節は秋から初冬へと移ろうとしている。全体的に緑だった木々も、赤や黄色の時期すら通り過ぎ、今や残す事なく葉を落としてしまい寂しさを醸し出している。
見上げると富士山も知らぬ間に山頂付近にしっかりと雪を残すようになっていた。
振り返ってみるとヒカルとの深まっていく仲、急速に接近したカズヤ、いろんな事があった1年だった。これから新年を迎えるにあたって、これらがどうなっていくのだろうか考えてしまう。
『期待はあるのか?不安の方が大きくはないのか?整理すらつかない状態でいるわけだし、幸せな未来があるなんて自信を持って言えるもんじゃない…。永遠なんてないはずだし、そうなら終着点ではいったいどんな事になっているのだろうか…』
まとまらない気持ちを持ちながらも、年の終わりを半月先に控え、何かもの悲しさのあるこの時期を物思いに耽って過ごしていた。