もちろんendまで書くつもりのなら、うひらうひら
「はい」
たっぷりとコップに注がれたコーラを手渡す。りゅうじは黙ってそれを受け取る。
「・・・(じ〜)」
「・・・何か凄い楽しそうだな」
「うん♪」
うなだれたが、気を取り直してコーラを一気飲み。かなり苦しそうな顔をしたが、それはそれで男らしくて画になってた。
「・・・もう絶対にやんねえ」
と一言。ちょっと勝ち誇ってみせたり。
「その顔、すんげぇむかつく」
「うけけけ♪」
そんなこんなで罰ゲームも終わり、速やかにカラオケが退散することにした。コーラ一気飲みがよほどこたえたのか、ゲーセン行こうという提案は出されなかった。それどころか、帰ろうという始末。そんなにきつかったかな〜
「あ、そうだ、服見てっていい?」
「ん〜・・・いいよ、俺も見たいし」
そんなこんなでいつも行ってるアパレルショップへと足を運ぶ。そこでまず向かったのはサングラスのコーナー。
「サングラスかけるんだ」
「ん〜俺がってのもあるんだけど〜りゅうじっていう人間にかけさせてみたいという好奇心がうずいてるんだよね〜」
「え?」
ふと手に取ったサングラスを身動きされないうちにかけさせる。そんで鏡の前に立たせる。
「お〜〜〜〜〜」
りゅうじはかなりはにかんだ様子で鏡に映る自分を見る。
「やっぱり似てるな〜、誰かさんに」
あえてここでATSUSHIという名を出さないのも俺の手。あ、外しちゃった。
「何か知らないけど、似てるって言われるんだよな〜。似てないっつうの」
「しかしまんざらでもないりゅうじ君なのでした」
「うっさい」
あ、図星だな。可愛い。
「ん〜これにしようかな〜」
「地味なの選ぶな〜、これなんか似合いそうだけどな〜」
りゅうじが持ってきたのは確かに俺が着ても不自然さが出ない服だった。しかし、そういう服に限って値が張るっていうのが相場だ。
「貧乏なわたくしにそんなの買うお金ありません」
そんな俺に一言。
「しょうがねえな〜、俺が買ってやるか」
値段を見てみる。ひゃっ、4990円。
「何でそんな金あんの?」
とここでジェスチャーで耳打ちのポーズをとった。とりあえず耳を向ける。
「実は〜、年齢を伏せて〜深夜に働いてるんだよね〜」
そういうの年齢偽証罪が成立するぞ、とはあえて言わない。
「時給どんくらい?」
「1100円くらい」
微妙な数字。しかし週1で750円の自分に比べて明らかに収入は上。
「いいな・・・ちょうだい♪」
「誰がやるか!ww」
「ちっ」
何か通りすぎる人々に白い目で見られつつあるから、とりあえず次に行くことにする。りゅうじはどんなの買うのかな〜と手に取る服を凝視する。
「ん〜これかな、これもよさそうだけど」
けっこう迷ってる。
「よろしかったら試着してみます?」
「あ、はい、それじゃあ・・・」
店員に案内されて着替えボックスまで向かう。そこでもぞもぞと音を立てながら着替えるりゅうじ。そして・・・オープン☆
「・・・」
素敵なくらいに似合いすぎていた。身体のラインも強調しすぎない程度にぎりぎりにいかされてるし。しかもよりセクシーに見える。
「あれ?似合わない?」
「・・・いや、似合いすぎ」
そんなこんなで服(+サングラス)を買って外に出る。
「・・・ありがとう」
「ん〜?どうってことないって」
こういうことがあったからってわけじゃないけど、りゅうじのこと、すごい頼もしく感じた。今まで、俺は誰も信じなかった。だけど、りゅうじは違う。信じてもいいって理由とか根拠とかもなく、そう思った。
続く