U2さん、またまたジンを好きな人発見〜!ジンの優しさは伝わってるみたいですねー。yukiさん、バス通でカッコいい運転手さんとかいなかったかな?
何だかみんなの目がこっちを向いていたり耳打ちしてる姿が見えたりで、居心地の悪さを感じていた。ただイッセイは全く気にしていない様子だ。
俺「少し声がデカくない?」
一「気にしない気にしない。でも朝からシュウちゃんと一緒なんて嬉しいな」
俺「気持ちは有り難いけど、みんなが注目してないかぁ?静まりかえってる様じゃん」
イッセイの半分以下の声量で俺は耳打ちした。
キョロキョロあたりを見回したイッセイは、その中の1人に軽く手を振っている。あれが一緒に宿題をした友達なのだろうか…。
一「そんな事ないでしょ。でも同級生にシュウちゃんと友達だって話すと羨ましがられるんだからさ。俺がみんなにヤキモチを妬かれてるのかもしれないよね」
ようやく小さめの声になったので内心ホっとしていた。
俺「仲良くなってみると、ろくでもないってわかるだろ?」
一「そんな事ないよ。シュウちゃんを紹介しろってよく言われるんだから。逆に鼻が高くなっちゃうくらいだよ」
ちょっと生意気に話すイッセイだが、会話に嫌味な部分はない。その辺りの性格はすべてコウに持っていかれたのかもしれないと密かに思っていた。
俺「イッセイは彼女いないの?同級生とかにモテるんじゃない?」
一「今はいないですよ。同級生とかだと子供っぽく見えちゃって…。欲しいんだけど今は年上のシュウちゃんでいいかな〜なんてね」
そう言って肩を擦り寄せるイッセイに一瞬ドキっとするが、冗談である事は雰囲気からも分かる。
俺「何だよ、その『いいかな』ってのは」
一「ハハっ、でもシュウちゃんにはヒカルさんがいるからね〜」
俺「えっ?」
こっちの方が俺としては遙かに緊張するネタだ。
一「ヒカルさんがついてるから怖くて近寄れないって意味だよ」
焦り捲ってしまう自分が恥ずかしく思える。どうもイッセイのペースに乗せられている感じがしていた。
バスは程なく学校の正門を抜けて正面玄関に横付けされた。満員なので降りるのにも時間を要する。
一「またウチに遊びに来てよ。それからヒカルさんとクラスに遊びに来て欲しいな」
俺「ヒカルは絶対無理だよ」
一「なんで?」
俺「まぁね」
結局最後に2人でバスを降りた。コウにも増して物怖じしない性格に呆れてしまう。
新学期もこんな風に始まっていった。