次の日。
俺はずっと家から出なかった。
大学もあったけど…。
行きたくない。
ただボーッとしてた。
かなたに
もう会わん方がいいんかな。
かなたの母は…
かなたをすごく心配してる。
大事に思ってる。
かなたのために。
いろいろ考えてがんばってる。
らいきは…
俺に何も聞かずに
ただやさしく接してくれた。
そんならいきを酔ってたとはいえ俺は。
ホンマに最低…。
やっぱり
ますます資格ないよな。
俺。
みらいは…?
あいつは何なんやろ。
人のことであんなに熱くなって。
めっちゃいいやつなのは昔からわかってる。
夕方。
ピンポーン
ドキッとした。
かなただった。
ドアを開けると
いつものように何も言わずに上がってきた。
かなたはテレビをつける。
いつものところにちょこっと座る。
俺は何を言っていいかわからない。
嫌な空気。
緊張した。
かなた「ニュースばっか。」
リモコンをいじってた。
かなた「おもろいのない…。」
「そうやな。」
かなた「ごめん。」
「えっ?」
かなた「この前ごめん。」
俺に関係ないって言ったこと?
そんなこと…?
自分の情けなさが身にしみる。
「てか…。
俺が悪いんやし。
…ごめん。」
かなたはおもんないテレビ画面から目を離さない。
「かなた俺さ…。
かなたのこと好きやけど。
でも…。
でもな…。」
ピンポーン
えっ?
誰か来た。
誰やねん。
みらい。
みらい「うわー!
かなたや〜!
久しぶり〜!
やっぱいつ見てもかわいい〜。」
…こいつは…。
「どしたん。」
みらい「ちょっと言いたいことあって。」
変な空気…。
言いたいこと…。
みらい「うじうじは治った?」
みらいは笑顔で言う。
こいつ…。
うっとおしい。
俺は何も答えない。
かなたはテレビ。
報道特集
『相撲部屋の実態』
みらい「はやとさ。
この子に会わん方がよかったって思ったこと。
ある?」
何を言ってんねん。
こいつ…。
みらい「最初から会わん方がよかったって。」
最初から会わん方が?
そんなの考えたことない…。
みらい「ないやろな。」
なにそれ?
みらい「めちゃくちゃ苦しんで…
めちゃくちゃ悩んで…
それが例え悲劇的な別れになってもさ。
こんなことなら会わなければよかったって…。
こんな苦しいんやったら相手の存在すら知らなければよかったって…。」
そんなこと思わない。
みらい「思わんやろ?」
かなたは一切こっちを見ない。
みらい「じゃあいいやん。」
みらいはじっと俺の目を見てしゃべった。
みらい「どんなつらいことがあってもさ。
相手と出会ってないことを考えたら。
ましやろ?」
俺もみらいを見た。
みらい「いいやん。
一緒におる理由なんか。
それで。」
みらいは目が潤んでた。
かなたの顔は見えない。
みらい「この子と会わん方がよかったって。
思ったことあるん?」
「ない。
ないよ…。
一回も。」
しばらく
静まり返った。
みらい「じゃあさ。
もっと正直に…。」
みらいは俺から目をそらした。
みらい「言いたいことそれだけやから。」
「えっ?」
みらいは泣いていた。
みらい「うじうじしてんの見て…
ムカついてさ。
だから言いに来ただけ。」
「みらい…?」
みらい「言うたやろあたし。
誰が誰を気になってるかわかるって…。」
みらいは玄関でもう外の方を向いていた。
みらい「全然気になってないって人もわかんねん。
昔から。」
みらい…。
みらいは帰っていった。
再びかなたと二人っきりなった。
…とすいません。
今回中途半端で。
たくさんの応援本当にありがとうございます。
厳しい意見も…
めっちゃありがたいです。
ごもっともです。汗
もうちょっと続くんでよろしくお願いします。