その部屋は地下にあった。
大気が肌に当たると冷たく感じる、という位に湿ったそこはとてつもない長さがあり、部屋というより幅の広い廊下といった感じで、薄暗い為に奥の方はよく見えなかった。
例えて言うならば、昔の牢獄。
そこから本来、囚人が入っている筈の牢屋を、周りの素材と同じ灰色で目の荒いざりざりとしたコンクリートのようなモノで埋めた、と言う感じだ。
部屋の唯一の明かりは天井から吊されたランプ風の電球で、長い部屋に点在しており、繋ぐとこの部屋を真っ直ぐ中央で二分するように並べられている。
その部屋には囚人と言う訳ではないのだが、多くの青年が収容されている。
彼らは首と両手両足を鎖で繋がれていて、鎖の先は壁に埋め込まれて、長さが調節出来るようになっている。
ただ、それはそこに繋がれている青年達の意志で変えられる訳ではない。
今は最短で青年達は両側の壁に引き付けられていた。
青年達の後ろには壁があるのだが、そこには悪趣味な魔物のような石の彫刻があり、青年に噛み付こうとしているモノや少年を睨み付けてニヤけているモノがあった。
それらに共通するのは彫刻は中腰で膝の上に青年達が足をかけられるようになっていた。
というのも、足の鎖の長さを最短にした時に彼らの足は常人の腰の辺りまで浮くように設定されているのだ。
つまり、鎖を最短にされると手首、足首、首だけで体重の全てを支えることになってしまうのだが、そんな事をすると、脱臼したり、窒息したりしてしまうので、仕方なく彫刻の膝に足をかけられるようにしている。
そして、全部の彫刻が口を開けている。
中が濡れて光っている。
最後に、全て鎖を最短にした時に青年達の真下には普通体型の成人男性が一人真っ直ぐ入れるような大きな穴が開いているのだった。
そう、その部屋は・・・。
俺は援助交際をしている、相手は男。
男と寝て、金を貰ったり、何かを買って貰ったりする。
今日もそう、ある人と約束がある。
その人は、俺が写メを送ると5万くれると言った。
正直、俺は顔に自信がある、セックスもフェラも相手を満足させる自信がある、年齢的にも肉体的にも高校生だしまだイケるだろう。
だが、急に5万というのは少し怪しい・・・。
そう思った。
ただ、その人の事を聞いてそれで妥当だろうと思いなおした。
その人は、デブのチビでブサイクで気質がハードなSで、金なんて捨てる程あるというような金持ちだったのだ。
俺には関係の無い事だった、今までどんなブサイクとも寝たし、蝋燭を垂らされた事も乳首を抓られながらイカされた事もある。
今回も仕事だと思えば何ともない、きっと仕事が終われば5万を得た事による幸福感に満たされるのだろう。
そんな思いを巡らせながらその人を待った。
その人は待ち合わせ場所に少し遅れて到着し、僕のその日の仕事が始まった。
車に乗って挨拶をして、サングラスを外す。
その人が俺の顔を見て褒め言葉を言ったので、美辞麗句並べて返す。
そして、車の中でその人の家に行く事と、ソコまで30分位かかる事を聞いた後に、運転中の彼の手に左手を伸ばす。
「あの、・・・触って、下さい・・・。」
わざとらしくそう言い、彼の手を俺の股間に当てる。
柔らかい生地のズボンに触ると俺の股間が完全に勃起している事に気付いたようだ。
「全く、・・・メールした通りの変態だなぁ、お前は。」
運転しつつ、躊躇いを含んだ視線をこちらに送る。
いやらしい目で下半身から舐めるように俺の顔まで見て、ズボンの上で手を動かし、どうして欲しいんだ?と在り来たりな質問をする。
僕は
「っあ、・・・んっ。」
とズボンの手で僅かに動く手に感じているように振る舞う。
そしてもっと強く触って欲しいかのように上からその手を股間に押し付ける。
「ん〜?えっちな手だなぁ、どうして欲しいのか言わないとわからないぞぉ?」
僕は彼と目が合うまで彼を見つめて、目が合ったら彼の手の置かれている股間を見て、チャックを開ける。
彼がノーパンで来るようにと俺に言ったので俺はその時、下着を穿いていなかった。
彼が嬉しそうに黄ばんだ歯を見せてニヤける。
「本当に穿いてこなかったのか、従順な奴隷だなぁ。」
そして俺はズボンの後ろポケットに入っていた下着を出し、彼に見せる。
「待ち合わせ場所の近くの、トイレで脱いだんです・・・。」
そう言うと彼は運転中にも関わらずその下着を手に取り、
「こんなえっちな下着を穿いているのか?高校生でケツワレなんて、お前は本当に変態だなぁ。コレは没収だ。」
と言い、それをポケットにねじ込んだ。
彼はその後、ズボンのチャックからギンギンに勃起したイチモツを取り出すように僕に命じ、僕はそれに従った。
彼はソレを思いっきり強く握って扱いた。
「いゃ、んっぁ!」
と等と言いながら、俺はそれに抵抗して体を丸め、彼の手首を押さえた。
「ん〜?感じてしまうのか?・・・先走りが溢れてるぞ?」
そう言い、彼は俺の先走りを親指で強く亀頭に塗り付ける。
「んっ、あ、・・・いぁ、気持ち良い、っです!」
俺がそんな事を言うと彼は嬉しそうに言った。
「ほら、隣の車の人達に見て貰え。僕は変態ですって泣き叫べ。」
俺は
「そ、そんな、・・・無理です、そんな事・・・。」
と言い、奥の手を取り出す。
「そ、それは無理ですけど、・・・あの、・・・コレ。」
そう言って俺は身を捩りながら、イチモツを出しているチャックからもう一つのモノを取り出す。
「ん・・・?」
「さっきの下着を脱いだ時に我慢出来なくてコレだけいれてみたんです・・・。」
それはコントローラーだった。
彼はソレを手にとって、
「本当に変態だなぁ、お前は。コレをどうして欲しい?強くして欲しいのか?」
と俺に問う。
俺は、強くして欲しいと小さな声で答え、もっと大きな声でと何回も同じ事を言わされる。
そして最終的に・・・。
「よぉし、そんなに強くして欲しいなら強くしてやろう。」
そう言って俺の中で小さくて強力なローターが動き始めた。
ヴヴヴヴヴヴ
「んっ、あぁ!」
そう言いながら車のシートとシートベルトの間で身をくねらす。
「ん〜?そんなに感じるのか?」
俺が一応彼の手元のコントローラーを見て、言う。
「さ、最大なんって、感じない、訳、ないっ、・・・っんん!!!」
俺がそんな感じている振りをしていると彼が言った。
「着いたよ。」
そこはいつの間にか高級住宅街。
その家の全貌を見る事が出来ないまま車庫に入っていった。
ソコには車好きでもない俺が名前を聞いてビックリするような車が沢山あった。
俺は一度、彼の寝室に向かった。
俺の寝ているベッドの4倍位の大きさのベッドがあって、ココなら思いっきり動いても落ちないなと思った。
しかし、そんな事より普通に感激してしまった、部屋の広さや豪華さに。