車で30分のところだ。
老人ホーム?
なぜこんなところに?
しかも俺関係ないのについてきていいのかな?なんて今更思った。
玄関口のところに、男女数名がいた。
「玄武君遅〜い!!」
玄武「悪ぃ〜寝坊しちゃって」
女の子「あれ?一年?」
玄武「いや、ちょっと知り合いでさ、ボランティア手伝ってもらおうと思って」
俺「は、はじめまして」
女の子B「可愛いね。玄武の弟みたい」
俺「マジで!?」
そう言って、玄武君は俺の肩を抱いた。
女の子B「一回生よね?見慣れない子だけど、どこの大学?」
俺「あ、隣のK大学です」
女の子B「そうなん?このボランティア楽しいよ」
俺「そうなんですかぁ・・・」あまり乗り気じゃなかった。
早速、老人ホームの中に入った。
おじいさん、おばあさんたちが凄く楽しそうに、お絵かきしていた。
大人なのにお絵かきか。。。子供みたいな無邪気な笑顔。
バカじゃねぇの。。。。なんて思ってしまった(すいません)
まるで幼稚園みたいな感じだ。
どうやら玄武君は、ボランティア系のサークルに入っているらしく、一ヶ月に一回老人ホームで介護の勉強や、ご老人たちを楽しませる企画とかをしているらしい。
歌をみんなで歌うことになった。
もりのくまさんをこの年で歌うとは思わなかった。
玄武君が指揮をとり、みんなで合唱。
俺も一緒に歌うことに。
老人たちの楽しそうな笑顔を見て、俺まで何か楽しくなってしまった。
ボランティアなんてしたことないし、今までやろうとも思わなかった。
こうやってボランティアすることって楽しいし、充実感がある。
そんなことを18歳の今頃になって学んだような気がする。
こうして、17時になり、ご老人たちは送迎のバスで帰った。
俺たちはみんな帰ることに。
玄武君の車に乗り、玄武君のアパートまで帰ることに。
俺もそろそろ家に帰ろうとしたら、
玄武君からメルアドを聞かれた。
玄武「また参加してよ。待ってるからさ。そういやあ、メルアド教えてよ」
俺「あっはい」
ゴソゴソと探したが、ケータイがない。
そっか、落としたんだ。
もう、青山君とも関わりなくなったし、必要はない。
ヤマトからも連絡がこないからせいせいする。
でも玄武君とのメールが出来ないって・・・それはヤバイ
俺はそっこうでケータイを買った。
玄武君にメモをもらっていたので、さっそくメールした。
とりあえず
≪昨日はありがとうございました。ボランティア楽しかったです。また誘ってくださいね♪≫
するとすぐ返事が返ってきた。
≪もうあそこで寝たらダメよ(o^v^o)笑 また誘うよ。また俺ん家泊まりんさい≫
俺は何故か、このメール読んで凄く嬉しくなった。
また玄武君に会えるんだ。
傷ついているところに、玄武君がきて、俺はもう玄武君しか考えられなくなっている。
ふと思い出してみると、ヤマトは俺にあのビデオを売られたくなかったら、来いって言ってきた。青山君が代わりに話つけたはずなのに・・・
なんでこんなことになったんだろう。もしかしてあのビデオを見て俺が嫌いになつたんかなぁ。たぶんそうだろう。
そうに違いない。
俺は、今恋してるのは玄武君だ。
他の事は考えたくなかった。
勝手に解釈して青山君を忘れようと思っていた。
本当の理由を知らずに。。。