中3の時の三学期
俺は後輩・・・ユウキが好きだった
スタイルいいし、顔もいいし
なにより、優しかった
「先輩、一緒に帰りませんか?」
嬉しい言葉
部活を引退したあと、
雪が降ったため部活が中止になったためにユウキと帰ることができた
ハァッと白い息を吐く
「さみぃですね」
「もう、ほんとに冬だね」
「手、冷たくないですか?」
「・・・冷たいけど」
「ほら、手、握ってあげますよ」
ギュッと握られる手
ユウキの方が背が高く
俺の方が背が低い
それが嫌だった
でも、こういうときは、
チョット良いかもしれない
「家で少し暖まってってください。親、いないんで」
「ぅ、ぅん」
周りからの目が気になったが無視する
たまに行くユウキの家は二階建ての一軒家
なかなかにキレイだ
「こんなのしか出せないですけど」
お菓子とお茶を持ってくる
「いや、気にしないで」
ほんとに気が利く子だ
雑談とゲームをして時間を過ごしてきたが、
少し飽きてきた
「先輩、これ、くわえてください」
一枚のクッキーを突き出してきた
「ぇ、ぁ、うん」
はむっとくわえる
「目、瞑って」
「・・・ぅん」
ドキドキしながら目を閉じる
シャリ
反対側をかじった音と振動が伝わってくる
そして・・・
ピロリ〜ン
・・・・??
「先輩、どぉですか?」
「ん?」
見せてきたケータイの画面には
クッキーを両端からくわえてる
俺とユウキ・・・
「ばッ!」
顔が熱い
口からクッキーが落ちた
「落とさないでくださいよ〜」
そう言って、俺がくわえてたほうをかじった
「ユウキ〜、お前、そんなキャラだっけ?」
続く