―――あれから1週間。
あいつは毎日部活に顔を出している。
その日、久しぶりに俺は最後まで部活に残っていた(俺はいつも早めに帰宅している)
しばらくするとあいつが近寄って来て、
「海都先輩がこんな時間まで残ってるのって初めて見ました!!」
「そう?あぁ…確かに最近は早く帰ってたなあ…」
「先輩って電車通学ですか?」
「せやけど…お前は?」
「俺も電車ッス!!」
「じゃあ…一緒に帰る?」
「はい!!」
うちの部活の2年のメンバーは、ほとんどが地元の中学出身で、電車で来てるのは俺を含め2人だけだった。
以前は2人で帰っていたのだが、1人がバスで来るようになったため、俺は1人で帰っていた。
こんな時間に誰かと帰るなんて久しぶりだったので、なんだか変な感じだった。
「お前の名前って何やったっけ?」
「先輩ヒドッ!!植田孝紀ですよ;」
「悪い悪い;ありがと」
「そういや先輩ってどこ住みなんですか?」
「〇〇市やで」
「ホンマッスか!?俺も同じ市内ッスよ!!最寄り駅は?」
「〇〇〇駅」
「駅も一緒じゃないですか!!じゃあこれから毎日一緒に帰りましょうね!!」
「いや…それはちょっと…」
そんな感じの話をしつつ、2人で駅へとむかった。