俺は公園もしくは広場らしいところのベンチに座った。
人通りはない。
街灯も点々としかなく、暗い。
時間は夜9時。
今日に限って親の帰りが遅い。
「圭太くん…何で…」
俺を好きだって言ったのか。
「バカ…じゃん」
叶うわけないじゃん。
「でも、好き…」
いつの間にか泣いていた。
「圭太くん……」
目の前にゴミ箱がある。
中にはエロ本が入っている。
表紙の女がこっちを見てる。
女とやってる圭太を思い浮かべた。
「ムカつく」
俺は立ち上がりゴミ箱を一蹴した。
物凄い音がした。
中身が散らばる。
俺はエロ本を広い、近くの川に投げた。
「バカ……」
俺はベンチに戻り、また泣いた。
「ねぇ」
いきなり声をかけられた。
前に立っていたのは、20代前半くらいの男。
いかにも頭が悪そう…てか、遊んでそう。
「な、何ですか?」
「何泣いてんの?フラれちゃったとか?」
「何でもないです」
「家、どこなの?」
「○○駅の近くです」
「マジ!?かなり距離あるじゃん。チャリで来たわけ?」
「はい…」
「へぇ〜。カノジョの家に行って、いろいろあったってわけか」
「……」
「まぁ、誰にだってあるさ」
「……」
「てか、知ってる?ここ、夏場はゲイが集まるんだよ」
「ぇ…」
隣に座ってくる男。
「フェラしてやるよ」
いきなりキスをされ、ズボンの上から撫でられる。
「ンッ」
ベルトを外され、膝下まで脱がされる。
トランクスの中に手を入れられた。
「スゲェカワイイ」
「ダメッ」
「イカせてやるよ」
シコってくる男。
「んッ!」
止めて欲しかった。
でも、こんな姿を誰かに見られるのは嫌で、声を出せなかった。
「おい、お前」
何も考えないようになってきた時だった。
いきなり声がした。
「何してんだよ」
そこにいたのは圭太だった。