「高野、もしかして勃ってる?」
「先輩はどうなんですか?」
普通に近寄ってくる高野。
・・・あれ、勃ってない?
俺の気のせい??
「先輩、何コーフンしてるんですかぁ(笑)」
「誰だってAV見たら勃つだろ!」
「俺はダイジョブですよ。
てか、俺はこーゆーのより、妄想のほうがコーフンしますから(笑)」
「変態じゃん」
「先輩ほどじゃないですよ」
俺たちはゲラゲラ笑った。
10時前。
最終的に、全部のAV(のエロいシーン)を見て、二人して勃起していた。
「すみません、ちょっとトイレに」
「あぁ」
高野がトイレに入った。
俺は『きっと抜くんだろう』と思い、ドアに近づく。
チャックを開ける音、ズボンが落ちる音がエロい。
ガタッとドアが鳴った。
たぶん高野がドアに手を着いたのだろう。
「ハァ・・・」
声が聞こえた。
「ぁ・・・」
かなりドキドキする。
「せん・・・ぱぃ」
!!!!!
別の意味でドキッとした。
バレてる・・・?
「ハァ・・・ハァ・・・」
違う、きっと。
「せんぱぃ・・・」
俺のコトを妄想してる。
「た、高野、トイレまだ?」
俺は変な感情が溢れてきた自分を抑えるために、高野の行為を止めさせた。
「せ、先輩(汗)すみません、今出ます」
俺は立ち上がり、ドアの前に立つ。
水が流れる音が聞こえ、ノブが動いた。
高野が開けようとしたドアを押さえる。
「ちょっと先輩!開けてふざけないでくださいよ〜」
「・・・高野」
「なんですか?」
「今、何してた?」
「ぇ、そ、その・・・」
「誰のコト考えてしてた?」
「・・・・・」
「俺のこと?それとも、別の、女の先輩?」
「ぉ、女の先輩に決まってるじゃないですかぁ」
「だ、だよな」
俺はドアを開けた。
「先ぱ〜い、何勘違いしてるんですか?」
「ワリィワリィ」
「俺、今は帰宅部ですけど、
ちょっと前に入ってた部活の先輩がすごくタイプで、
その人に襲われて、フェラされる妄想をしてたんですよ」
さっき見てたAVの内容に似ている。
一瞬嘘かと思ったが、そのシチュエーションを自分に当てはめたのだろうと考え、納得した。
「で、先輩って何年?てか、何部?」
「二年の合唱部で、サトウって人です」
「そなんだぁ〜」
「ぁ、トイレどうぞ」
「ぁ〜、いいや、萎えちゃったし。それに遅いから今日は帰る」
「わかりました〜」
「じゃあ、またな」
「はい」
俺は荷物を持って部屋を出た。
隣の部屋から喘ぎ声が漏れ聞こえる。
「先輩」
「ん?」
「明日も帰れますか?」
「ぁ、あぁ」
「じゃあ、放課後、保健室に来てください」
「わかった。じゃあ、また明日」
「はい、また明日」
俺は足早に帰宅した。