打ち上げ疲れでだるいが今日は部活。朝の自主練のために早く学校に行く。珍しくMがいなく『さぼってるなぁ』とか思ってたところにメール。
M「今日は自主練に間に合いませんでした。すいません。あと今日は部活も休みます。」
俺は返信せず自主練にむかった。校庭を走っているとFが来る。
F「おはようございます!」
俺「遅いぞ!」
F「今日はMいないですね。」
俺「打ち上げで疲れたんだろ。」
F「最近順調みたいですね。Mが先輩が優しい〜とか言ってましたよ(笑)」
俺「意味わかんねぇなぁ(笑)Fはどうだ?最近。」
F「動き無しです。気になる人はいるんですけど……」
俺「いいじゃん!恋なんてそんなもんだぞ!……で男?女?」
F「男です。」
俺「男かぁ。難しいなぁ。」
F「その人彼氏がいるんですよ。」
俺「へぇ……って相手もゲイ?」
F「そうです。しかもその彼氏の悩みを俺聞いてあげてるんです。」
俺「……」
F「悩み受けてる間にだんだん……」
俺「その話はもういいや!なんか変なこと聞いちゃったね。」
F「……」
俺「よし!体育館い……」
突然だった。Fが抱き着いてキスしてきた。我にかえりFから離れる。いや、Fを放した。
俺「俺にはMがいる……。」
F「……本当にMのこと好きですか?」
俺「えっ?」
F「俺はバイです。でも先輩となら結婚してもいいって思えたんです。自分の中でずっとブレーキかけてました。先輩は入学当初からMばっかり見てましたよね。同じように俺も先輩を見てました。外見から中身までほんと完璧なんです。正直Mと付き合い始めた頃死にそうでした。それでも部活に来てたのは先輩に会えるからです。……でもわかってます。Mがいるかぎり先輩と付き合えないんですよね。」
俺「おれさ、まだMには言ってないんだけど……、転校することになったんだ。お父さんの仕事で東京に行かなくちゃいけなくなった。先生には話してあって冬休みにはもうあっちにいってる。」
F「えっ?嘘……じゃないんですか?どうして?部活は?Mは?」
俺「最初は1人になっても通いたいって思った。でもそういうわけにはいかないんだよ。実際に考えたときに問題がありすぎる。」
F「だったらうちに住んでいいですよ!別に金もいいし食事もいいから!」
俺「……さぁ体育館いこう。みんなくる。」
これがMに言えなかったこと。ただ無駄に時間はすぎていった。
そして何も言えないまま転校した。
東京に引っ越して俺は私立の大学に入った。
FやMと別れてから3年近く経った大学1年の3月、メールが届いた。
M「久しぶりです。俺Fと東京に行くことにしました。で、先輩案内してください!話もあるんで!」
連絡はとっていたがまさか会いにくると思わなかった。
俺「オッケー!迷うなよ!」
わざと明るく振る舞ったが複雑だった。
M「ホテル高いんで先輩ん家泊まっていいですか?」
俺「しょうがないなぁ。寮だからオールはできないぞ!」
M「はい!泊まらせてもらえるだけで十分です!じゃあまた。」
複雑な気持ちのままその日を迎えた。
当日。M達が来るという駅の柱に寄り掛かってしゃがんでいた。どう接すればいいか、2人とも進展はあったか、色んなことが頭をよぎる。
F「せんぱ〜〜〜い」
2人がやってきた。
俺「久しぶりだなぁ。かわらねぇなぁ2人とも。」
F「先輩だって変わらないじゃないですか!!」
俺「まぁな。どしたM!?久しぶり。」
M「……久しぶりです。」
俺「まっ!とりあえず飯行こうぜ!!」
近くのファミレスで久しぶり記念という意味わからない食事会をした。
食事を終えて寮に向かった。
俺「これが我が城だぁ(笑)」
M&F「……」
俺「なんだよぉ」
F「意外と狭いんですね。」
M「風呂もない…。」
俺「まぁな。でもいいぞぉ!!親から離れられるからな。」
F「でもこういう感じ俺好きですよ!!」
俺「わかってるねぇ!!寮って言ってもほとんど自由だし。」
そんなたわいもない話をしていた。まだ恋愛の話は聞けない。