?「な、何だてめぇ?片手で・・・」
そこにいたのはユウだった。今まで見たことないくらい、すごく怖く、恐ろしく、殺気に満ちた表情をしている。そんなユウが俺を目掛けて振り下ろされた角材を、素手片手で止めてた。
ユウ「何だ?じゃねえ!ウチの現場のモン勝手に持ってきやがって、この資材泥棒!お前らのせいで工事遅れちまってるんだぞ!」
ユウはもう片手で相手の襟を掴むと、そのまま投げ飛ばした。他の連中もユウに殴りかかった。ユウは背中を鉄パイプで殴られてしまった。
ユウ「いってぇーな。あー!その鉄パイプもウチのじゃねえか!曲がって使いもんにならなくなったらどうしてくれるんだ!!!」
??「う・・・うわぁー!こ、コイツ、ば、ば、バケモノだぁぁぁ!!」
鉄パイプを取り上げると相手に頭突きし、逃げようとしてた他の2人も蹴り倒し投げ飛ばした。
俺「・・・ユウ?」
ユウ「あ、ドカ!!久しぶりに顔見たな。どした?んなとこ座り込んで。タバコでも買いに行くのか?」
俺に話しかけてきたユウの表情は、さっきの怒り狂ったものと違い、いつものユウに戻っていた。
俺「・・・どこから来た?」
ユウ「どこって、上に決まってるだろ。モグラじゃあるまいし、地下からは出てこねえぞ。」
俺「う、上って・・・橋だろ!まさか6mくらいの高さあるのに、あそこから飛び降りたのか?」
ユウ「当たり前だ。何か問題あるか?」
俺「怪我は!?さっき背中殴られたのは?」
ユウ「背中?・・・あー、あれか。平気だ。そうだ!資材泥棒捕まえたから、警察呼ばないとな。電話するからちょい待ってくれな。」