これは俺(浩太)が高校生だった時の話。
はっきり言って人見知りだった俺はあまり友達がいなかった。やっと居場所をつかみ始めた頃にはもう2年になり、クラス替えをしてしまった。そんなとき話か掛けてくれたのが琢磨。うちの高校は偏差値も低く、ガラの悪い人も多い。琢磨もその一人だ。
琢磨「よう」
俺「あ、おはよう」
琢磨「顔が死んでんな」
そう言ってどっかへ行ってしまった。今思えば、俺の物語はここから始まっていたのかもしれない。
ある日、学校へ行くと机がなかった。
ついにターゲットになってしまった。そう思った自分が冷静なことにも驚いた。
案の定、机は階段の踊り場のところに放置してあった。しかも机には落書き。
こういうとき無駄に反抗してはいけない。相手を挑発するだけだ。そう思った俺は机を黙って戻した。
実はそれが裏目に出たのかもしれない。
次の日は黒板に「浩太は淫乱奴隷、男なのに肉便器」、そんな事を書かれた。正直、ここまでされると精神的にかなりのダメージを受けた。
でも学校は休んだら負けだと思ったから毎日行った。ほかにされることと言えば無視くらいだから何とか耐えられた。
でも、そこで終わるはずがなかった。