書き込みありがとうございます。
ホントなかなかエッチな展開にならなくて、すみません。
続きです。
「やっぱりスピッツっていいよね」
明るく僕は言いました。
「うん、いいね」
マサキはボリュームを少し上げると、勉強机のイスにどかっと腰を落として、歌い始めました。
僕も一緒になって歌います。
久し振りに聞いたマサキの歌声はやっぱりめちゃくちゃうまくて、ムカつきます。
しかも、微妙にかすれるような感じがすごくカッコいいんです。
だけどマサキはしばらくすると歌うのを止めてしまい、なんだかんだ言いながらも僕は少し残念でした。
マサキはオレンジ色のタンクトップを着ながらニコニコして、歌う僕を眺めていました。
間奏になってマサキが言います。
「前に1回カラオケ行ったよな」
「うん、行った行った。1年時な」
「マイクの奪い合いになったの覚えてる?」
「覚えてるよ。同じ曲入れてたんだよ」
「それでお互い自分の番だと思ってさ」
「あれはひどかった」
「ひどかった?」
「そうだよ。結局マサキが1本しかないマイク独占してさ」
「え?」
「なに今更、驚いてんの?」
「いや、違うだろ?」
「なにが?」
「あれはケイが、途中からマイクなんかいらないって言って、生声で歌い始めたんじゃん」
「はい?」
「俺、驚いたもん。なんかケイ、テンション高いなぁと思って」
「え‥ウソ言ってない?」
「ウソじゃないよ。ケイの生声すげえ綺麗でさ、俺聴きいっちゃったんだよ。他の奴らもみんなそうだったはず。歌本めくるの止めて、みんなじっとして聴いてたからね」
「…あれ? そうだっけ?」
「そうだよ。覚えてない?」
「…うん」
そう言われれば、声を張り上げて歌った記憶もあるような、でもそれはマサキがマイクを離さなかったからで、僕から率先してやった訳じゃ無いはずです。
「ケイ、あれから誘っても全然カラオケ行かないからみんな残念がってたよ。俺もすげえ残念でつまんないから行かなくなっちゃったけど。今日はツイてるな俺。ケイの生声独り占めだ」
にっこりとマサキに見つめられて僕はまた胸がドキドキです。
もう頭も身体も変になりそうなくらい熱く、またおへその下あたりがキューンとなります。
僕はもうマサキの顔を直視出来ませんでした。
僕は陸上部のくせに肌が白くて、夏場はそれなりに焼けるのですが、まだ夏前だったのでぜんぜん白くて、きっとその白い肌が真っ赤になっていたんじゃないかと思います。