藤本先生との約束を守るのはなかなか難しかった。
暇さえあれば掲示板を覗いていたし、何より性欲が満ち溢れていたので、自分を誤魔化すのに必死だった。
1月のある日の放課後。僕は古典の補習を受けることになった。
古典の担当はもちろん藤本先生。
まぁ、クラスでできの悪い五人程度が残っていた。
先生「課題ができたやつから帰っていいぞ〜」
友達「え〜!でも量が半端じゃないですって(-"-;)部活もあるのに〜」
みんな与えられたプリントに不満をぶつけていた。
僕「てか、なんで僕も補習を受けないといけないんですか?2学期はまずまずやったでしょっ!!」実際、全体的に成績はよくなってきていた。
先生「お前には1学期という前科があるからな〜!」
僕「え〜!忙しいのにっ!!」
友達「お前っ!部活もないのに見栄はんなよ(笑)どうせ暇なくせに〜」
僕「お前と違って、部活バカじゃなくて、アフタースクールは自分のタメになることをしてますので!!怒」
実際には放課後は友達とぶらついて、家に帰ると、走りに行ったり、勉強したりしていた。
不満はないし、それでいいと思っていた。
先生は課題ができた奴から前の机に置いたら、帰っていいことを伝え、職員室に戻った。
与えられた課題がなかなか終わらずに、6時を過ぎていた。
辺りは冬のせいで、真っ暗になっており、肌寒い。
部活があるやつは、適当に解答を書き、部活に…
僕は中途半端に解答をして、ぼ〜っとしていた。
気が付けば、教室には一人…
僕(そろそろ帰ろっかなぁ)
なんとなく教室からベランダに出てみた。
やっぱり寒い。
三階のベランダから中庭を見下ろすと、生徒がまばらに帰宅している。
無性に深いため息をつく…
僕(はぁ〜。暇〜。毎日が繰り返しやし…)
もう数ヶ月も人肌に触れてない。
冬になると余計に恋しくなってくる。
しばらく、手すりに身を任せ、中庭を見ながら物思いにふけっていた。