コンビニで待ち合わせますか?と送ると、公園で待ち合わせたいとの事。夏とはいえ20時はもう周囲は真っ暗だ。
理由を問う返答が返ってこない。公園でもいいよと言うと、中津公園で待っているとのこと。
待ち合わせの場所に行くと、丸太でできたアスレチックの影に街灯から隠れるように彼は待っていた。
「○○(神主)です。」と言うと2歩3歩と物陰から現れた。プロフィールは聞いていなかったのだが、160センチ前後と小柄で、40キロ前後だろうか、とても痩せ細っている。
何より気になったのはその風貌だ。Tシャツと短パンだがとても汚れている。全身はくまなく日焼けをしており、顔も肩も腕もベリベリと皮がやぶけている。しかしそれ以上に、汚れているように見えた。
「何でもします。少しでもいいのでお金をください。ダメならご飯をを食べさせてくれるだけでも良いです。」
両肩を小さくすぼめた状態で彼はかぼそくそう言った。
どうしてかと理由を問うと、お金がなくて2日前に食べたスーパーの半額おむすびを1つ食べたのが最後で、それ以降は水しか飲んでいない。昨夜松山市内を歩いていた時に酔っ払ったチンピラに絡まれて足にしていた自転車を壊され川に捨てられ、途方に暮れている。
数日前にコンビニのバイト募集に行ったのだが臭い、汚いと言われ雇って貰えなかった。現場仕事も痩せ過ぎて無理だと言われ雇って貰えなかった…とのこと。
もう身体を売るしかないと思い、今日の昼間にウリの応募に連絡をしたのだが、ガリガリな事や包茎で小さいため採用されなかった事をか細い声で教えてくれた。
「身体を売る…なんてどんなことしたら良いのかわからないですが、何でもしますので助けてください。」
ブランコから降りて地面の窪みに頭を突っ込む様な姿勢で土下座をしながらそう言った。
「わかった。今日は車中泊をするつもりだったが、2人でホテルに泊まろう。そこでご飯も食べよう。」
そう言うと、彼はありがとうございますと言うと立ち上がり私の後を着いてきた。
しかし、痩せた彼が体をすぼめて固まっているのがよくわかった…。