チェックインの際、彼は私から少し離れた所で待っていた。
エレベーターに乗った際にその事を聞くと「臭いから変な目で見られる…」と話していた。
部屋に入ってすぐに部屋の風呂で身体を洗う様に伝えると、一緒に入りますか?と言うので、何で?と言うと裸を見たいのかなと思って…とのこと。
見られたい?と言うと、正直に言うと緊張します。と話した。
1人でゆっくりと入りなと言うと、ありがとうございますと言いながらシャワーを浴びた。
私も服をコインランドリーで回そうとまとめていると、彼が出てきた。
腰にタオルを巻いているが、その体は痩せてガリガリだった。
着ていた服を着ようとする為、ホテルの浴衣を着るように勧めると、中学の修学旅行の様だとはしゃいでいた。
一緒に洗うから服を出しなさいと言うと、お金に困っていた為、着ていた服以外は古着屋に全て売ってしまったため無いとのこと。
パンツの替えもないみたいなので、ホテルの売店で1番小さいSサイズのボクサーパンツを買ってきて履く様に促すと、嬉しそうに履いた。
少しブカブカだなと言って笑うと、また笑いながら涙をこぼしていた。
バイキングに行くと『あと30分で終わります』と言われたが、それでも良いからと言って店に入った。
はしゃいで色んなものを取ってきては腹に掻き込む彼はとても嬉しそうだった。結局、閉店時間から15分位オーバーしてしまったが、彼も私も満足して部屋に戻った。