泊まりの日が終わってから
前に書いた通り、オレの嶺への態度はあからさまに変わった
朝は一緒に行くはずの時間に行かないし
嶺が言及してきてもスルー
いつもなら嶺に聞く部活の連絡事項も他の人に聞くようになった
でも、もちろん嶺のことが嫌いになったわけじゃまったくなかった
むしろいつも嶺に酷い対応をするたびに内心、嶺の中で自分の居場所がなくなるんじゃないかビクビクしてた
そんなオレに対して嶺も初めは我慢して対応してたと思う
オレが練習試合の待ち合わせを嶺としないでナルや他のやつとするようになっても、「いまどこ?」とかオレが遅刻してないか気遣うメールをしてくれたりしてた
オレはそんなことをされるたびに複雑な心境になる
ほっとかれたくないくせして、『どーしてほうっておいてくんないんだよ』って嶺に勝手に怒りすらおぼえて
でもまたしばらくすると、自分の身勝手さで嶺をそんな風に思う自分や、嶺の良心を裏切って、傷つけてる自分に嫌気がさしたりもしてた
そして、当然だけれど
嶺もそんなオレに嫌気をさすようになったんだと思う…
オレらは何かきっかけがあったわけではなかったけれど
次第に話さなくなって
お互い事務連絡くらいしかしない仲にだんだんとなってた
でも…そうなるとそうなるで
自分が望んだ関係で
自分がしかけたようなものなのに
オレは嶺の中で本当に自分の居場所が、嶺の中での自分は特別っていう感覚を失ってくのが目に見えていて、怖くなった…怖かった
お互いに部活のときも、帰りも違う人といるようになって、だんだんと見えない壁に距離を広げられてるような気がして…寂しくなった
でもオレは…
オレは自分に『これでいいんだ』って言い聞かせて
本当は嶺に今すぐにでも「オレのこと嫌いになったの?」「オレの傍にいろよ!」って言いたかったのに気持ちを隠した
自分に対して隠してた
もちろん、前までお前らカップルかって言われるくらいベタベタしてた二人がそうなったら周りも気付く
石原はそういうことを言及しない奴でサバサバしたやつだから、オレらに対して「どうした?」とかは特に言わないけど
でも石原以外の何人かには色々と聞かれた
そんなとき、1番オレらの仲を心配してくれたのが品田だった
品田はオレが唯一の外部としてテニ部にはいったとき1番に話かけてくれたヤツで
高校生活で1番助けられたヤツ
ホントに品田がいなかったら自分はどうなってたんだろう…って思うくらい感謝してるヤツ
品田はテニスはなかなかレギュラーになれなくて、決して強くはなかったけど
人一倍情に厚くて、世話好きなのかな 笑
ただ石原とは犬猿の仲で、それが部活全体の悩みの種だったりもするヤツだったな
ナルと1番仲よくて、ミスチル大好きな品田
話を戻すと
その品田がオレらを心配して、「お前らどうしたんだよ?」
とか
オレが品田とナルといると「お前アイツ(嶺)んとこいけよ!」ってぶっきらぼうに言ってきたりした
嶺にも色々言ってたみたい
でもホント最低なことに
オレと嶺はそんな品田の心配と配慮も見事に無視してどんどん距離が離れてくばかり……
オレらの学年は
「オレと嶺の決裂」と「品田と石原の仲の悪さ」を軸にだんだん二分化されてった
オレは幸い石原とも仲いいし、外部からきたってこともあって嶺以外とそのときはわだかまりがなかったから、二つのグループの懸け橋みたいになってた(もともと品田と石原以外の部員同士は行動二分化しただけで仲は悪くないし)
けど、普段の行動は完全に分裂してるからどちらかを選ぶしかない
どっちを選んでもオレの立場的にはかわらないしで
オレはやや少数派の品田たちと行動してた(石原側に今村がいるのが1番の理由だけど)
もちろんそれは、今村と行動するグループすらちがくなるから
「部活だから」っていう理由で話してた嶺との会話ですら少なくなる
それは内心オレを焦られてもいた
でも、オレは表面にはださないようにしてた
でも、品田は全部お見通しだったんだね
品田はしょっちゅうオレに
「なんで無理するかな〜そんな悪いって思うから全部悪くみえんだよ。そんなんじゃ取り返しつかなくなんぞ?まぁ、なにがあったかよくしらねぇけどさ〜」
って言ってきた
それは品田が薄々オレがゲイなり今村の関係なりで悩んでんのに感づいてたのか
オレが今村を悪くしか見れなくなったっていうことの
どっちを指してたのか今でもわからないけど
品田は品田なりになにかを感づいてたたのは間違いなかった
そんな時
オレには仲がいい女子ができてた
それが三原だった
オレは外部にもかかわらず、テニ部の1年の中ではなぜか1番女子部と仲良くて
そのなかでも三原は同じ特進クラスっていうのもあってか
毎日メールするような仲で
たわいのないことでも楽しく話してた
三原はテニ部らしく健康的に焼けてて、身長も高くすらっとしてて、ルックスがいい
性格も天然がはいったツンデレって感じでかなり男子にモテるヤツ
三原と仲良くして、わかってきたことがあった
三原は中学校の頃、嶺のことが好きだった時期があったみたいだった
そういう話を三原がチラッともらすのをオレは逃さなかった
でも、だからってなにかあるわけでもなくとっくに過ぎた話だった
だけれど、オレはその時
嶺とは前に較べたら随分と接点がない生活をしてたし、品田がいる手前、今村の話題に対して触れることも我慢してた
触れると品田が「ほらみろ」って感じに説教してくるから←品田の親切心だけど苦笑
だからだと思うけど
どこか…気持ちのどこかで
自分はまだ嶺と接点がある
自分は嶺にとって特別だし
嶺も自分にとって特別
オレらの関係は特別なんだ
っていうことを嶺の中で居場所がなくなってるんじゃないかって心配してる自分に言い聞かせたかったんだと思う
誰かに誇示したかったんだと思う
誰かにまた「仲いいね」って
嶺はオレのもんだぞって見せつけたい欲求がたまってたんだと思う
だから…だからオレは三原に嶺の話をいっぱいした
今までの思い出とか、いかに嶺が自分に重いかとかを……今思うとノロケに近いことを言いまくってた気する 汗
でも三原の嶺ネタへの食いつきも悪くなかった
嶺は女子の間だとクールキャラで、顔も悪くなくて、秀才、テニスもできるってあって、人気はかなりある
だからオレが話すみんなの知らない嶺の一面に興味があったっていうのもあったんだろうな
でもそれ以上にオレはもっとちゃんと気付くべきだった……
三原の気持ちに…
「三原もしかして嶺のこと今でも好きなんじゃねぇーの?嶺に前に『三原が中学んとき嶺のこと好きだったんだって』っていったら『マヂかよー言ってくれればよかったのに』って言ってたからもしかして両想いかもな笑」
オレのこの一言が全部を狂わせることになるってことに…
この一言を…ずっと後悔してくってことになるってことに……
嶺?オレ今になって思うんだ
この辛い記憶も今の状況も全部
自分に素直に生きなかった人間への罰なのかなって…
嶺の心も自分の心も傷つけまくった
オレへの神様からの天罰なのかなって…
オレはときどきそう思うんだ……
嶺から逃げたとこで
全然楽になんかならなかったよ…
相変わらず自分がなんなのかわかんなかったよ…
ゲイってなに?普通ってなに?って
結局、嶺と距離おいたって頭から離れなかった
なんの解決にもならなかった
ただ嶺と話さなくなって
もっと苦しくなって
もっと辛いだけになっちゃった
オレが素直じゃないばっかりに…
だから…
だから…あんなことになっちゃったんだよね…
続きます!!
本当にあった通りに書いていきたいんで、登場する人が増えると思いますけど、できる限りみんなのことがわかるように説明いれてくんで、ややっこしいし、まどろっこしいかもしんないですけどお願いします!
コメントまたありがとうございました!!!
mixiはゲイのアカウントはないんで…ゲイとしてmixiやってない人ならいいんですけど…
またコメントよかったらください(^ω^)