オレと嶺は距離感ができてた。でもその距離感は埋めようと思えばまだ埋められたもので、話そうと思えばお互い話したし、現にまったく話さないって状況でもなかった。
でも、その時のオレは自分の気持ちには正直になれなくて、このままでいいって半ば意地みたいになってた。
そんな生活が続いてた。
でもそんなある日、そんな状況も崩れさっちゃう出来事が起きた。
それは部活帰りで、オレは品田と帰ってた。
部活終わってから帰るときに品田と二人っていうのはなかなかない。
品田は学校の最寄り駅から下りでオレは上りだから、あえて二人だけで一緒に帰るとかなかったから。
でもその日はたまたまそういう流れでそうなった。
帰り道、品田はオレと二人になってすぐ嶺の話をふってきた
品田「まだ仲直りする気ないのかー?」
オレは予測してたから別に驚かなかった
オレ「いや、仲直りもなにも別に喧嘩したわけじゃないし笑」
オレは軽く流してた。でも、それでも品田は話をくいさがってくる
品田「そうか〜いや、わかんねぇけど、お前らどっちも意地はってる感じにみえるけどなぁ」
そんな感じのことを、オレが否定しても延々と話してきた
それだけ品田はオレらのことを心配してたんだと思う。
オレと嶺のことであって、品田にとったら他人事。なのにそんな一生懸命ってかひたむきに、語ってる品田をみてたら、さすがにその時のオレでも『あ〜品田に迷惑かけてわりいな』って思ってきた。
それに、品田の一言一言がオレが目をそむけてた気持ちに引き合わせてるようにも、オレ自身の本心を引き出してくようにも感じた。
『やっぱりこのままじゃなんの解決にもなんねぇよな』
『オレだって、嶺とホントは話したいよ』
そんな自分の中で小さくなってた願望…いや、小さくしてた願望が品田の言葉によって大きくなってた。決して品田の言葉に流されてとか、影響されたわけじゃなくて、品田がオレが閉じ込めてたオレ自身をだすきっかけをつくってくれた。
『やっぱり、前みたいに戻りたいよ、今度嶺に話しかけようかな…』
『でもまた前みたいに戻ったら…』
オレは揺らぎはじめてた。
品田の熱弁を聞いてそんなことを考えはじめたとき気付いたら駅に着いてた。
品田「まぁ、とりあえずなんでそうなったかよくわかんねぇから説明しろよ!メールでいいから。な??!絶対メールしてこいよ?」
オレ「うん…」
品田「ん〜よし!じゃあメールでな!!」
そういってオレと品田はわかれた。
オレは帰り道ずっと考えてた。でもそこには品田のお陰で確かな変化があった。その日までは「どうしたら、嶺のこと忘れられるか」っていう逃げから「どうしたら、友達として嶺と付き合ってけるか」っていう前向きな考え方に変わりはじめてた。
でも、今の状況…
『前ほど仲良くするのは怖いけど、嶺とまたフツーにくだんないことで話して笑いたいな…もし、オレがそういう風に話しかけたらできっかな…嶺はフツーに接してくれるかな…』
オレは自信がなかった。話しかけて冷たくされたら…そんなことを想像したらなかなか決心がつかなかった。
『とりあえず品田にメールしよう…でも、なんでそうなったかなんて言えねぇよ……嶺が好きになったからなんて。絶対に理解されないし引かれる、相談できるわけない。けど…』
オレは迷いながらも品田にメールを打ちはじめた。
「なんでそうなったかはうまくいえないけど、なんかオレらの友達関係ってなんか重いし、それってフツーじゃないと思って。だから、嶺から距離おいたほうがいいと思った。だってさぁ、オレが朝遅刻したからって『なんでメールしてこねぇんだよ』ってキレられたりすんのが嫌だったし、何様だよって感じじゃね??!。でもやっぱこんな状況もやだかなー。仲直りってのは大袈裟かもだけど、またフツーに話せるようになりたいかな。前ほど仲良くすんのは勘弁だけど 笑」
今考えたらホントに素直じゃないし嘘ばっかの内容…
ホントは拗ねられんのも嬉しかったし、前みたいに仲良くしたかった。
でも、オレにはそこで素直にそう言える強さがなかったんだ。
また前みたいに悩もうが、嶺と一緒にいることのが何倍も何千倍も大事だって自分の声に耳を傾ける強さがなかったんだ。
別に嶺のことを好きってことを品田に言わなくても、『これから自分がどうしたいか』とかいくらでも本心言えたよね?今ならそう思う。『前みたいになんのは勘弁』なんて微塵も思ってないのに……最低だよ。
そんな素直じゃないオレに神様が怒ったのかな…
まぁオレが単にドジだったんだけど…
オレはメールを打ち終わって
送信者を選択して送信。
家について疲れたから昼寝…てか夕寝??した。
夜8時くらいに起きて、まだ寝起きでボゥーとしながら携帯をひらいた
品田からメールかえってきたかなーって思った
けど、メールがきてなかった。
『あれーあいつからメールしろっつったじゃんかよ( ̄・ω・ ̄)』
って軽くいらつきながら、送信履歴でもう一回自分が送ったメールを見返そうとした。
メールの画面ひらいて、送信ボックス………
ハァッ???!
オレはその瞬間マヂで目がさめた
てか、血の気がひいた……
オレが品田にむけて書いたメール
品田に送ったと思ったメールの送信履歴の送信先が嶺のアドだった…
品田のアドは〇〇〇-bluesun-×××…
嶺のアドは〇〇〇-bluetas-×××…
自分は多分同じ電話帳のグループにある二人のアドを見間違えたか、嶺に関することを打ってたから、嶺のアドを無意識に選んじゃったのかは未だに自分で謎…てか信じられないけど
その瞬間は「なんで??!」とか考える余裕なかったってかもう内容が内容なだけに『ヤバイ』しか頭に単語が浮かばなかった……
しかも、当たり前だけど嶺から返信ない………
『やべぇ…マヂどうしよう……』
ホント家で一人でパニくってた
5分くらいかな……
ずっと『どーしよ…』しか考えらんない状態が続いて
思考がなんとかかえってきた
『とりあえず、嶺に謝んなきゃ……でもなんて言えばいいんだよ………そうだ!まだ見てないかもしんねぇよな!!!今何時だ?8時過ぎ!!送ってから3時間……みてないよな…?うん!見てない見てない!!』
っていう謎なポジティブぶりをなぜかそんとき発揮して
いま嶺と気まずいとかそんなこと全部ふっとんで即行メールをうった
「わりぃ!!!メール送るやつ間違えたからこれの一通前のメール消して!!!」
…後になってフツーに考えたら、こんなメールきたら見ない奴なんていないよな…
けど、オレは焦りすぎてもうわけわかんなかった…
未だに嶺はオレのメールを見てから、見たのか
もうすでに見てたのかはわからない
けど、当然メールは返ってこなかった…
ってなんかネタみたいな話すぎて、シリアスじゃなくなっちゃいましたね 汗
ホント今でもこの失態は自分でもギャグとしか思えないです…けど、実際起きたらしゃれになんないっす 苦笑
しかもメールの内容がまた酷い…
なんかこのまま書いたらただの笑い話になっちゃうんで続きはまた改めて書きます 笑
ちなみにオレのその時の携帯がSH902iだったんですけど…あの携帯、送信欄に名前表示してくれないんすよね……絶対そのせいもある(¬、¬)
当然次の携帯はちゃんと名前表示のやつ選びました
みなさんは大事なメールは送信者確認してから送りましょう 笑
コメントまたありがとうございました!!
またよかったらお願いします。