駅に着いた。悠介とはそこで別れることになっていた。俺と悠介は人が行き交う場所に立っていた。彼が目を離した瞬間、胸にプレゼントを押し当てる。
淳士「はい、これ。俺からのプレゼント!気に入ってくれるかわからんけど…受け取ってな」
悠介はビックリした顔のまま立ち続けていた。そんな彼の頭をポンポンと軽く叩き、別れを告げて帰路につく。その瞬間、腕をグイっと引っ張られ、彼の胸に抱き寄せられた。
悠介「ありがとう…嬉しいよ!これ、俺からもプレゼント。帰ってから開けてな?じゃあバイバイ!」
そう言って、人混みの中に消えていった。俺はただ、立ちすくむしかなかった。ふと正気に戻って、俺はもう見えない彼に小さく手を振り、自分の電車が来るホームへと向かった。
家に帰ってプレゼントをあけてみると、四つ葉のクローバーが中に入ったチョーカーがあった。そこにはメッセージが添えてあった。
悠介「淳士、今日はありがとう。これは俺からのプレゼント。実はお揃いやねん。せやから…俺と会うときは付けてて欲しいな。俺はずっと付けてるからさ!そうすればいつでも淳士を傍に感じられるやろ?(笑)悠介。」
そのとき、彼は本当に紳士だと思った。俺はそれを大事に胸に寄せて、首にかけた。なんだかすぐそこに悠介がいるような気がして、嬉しかった。俺からのプレゼントは喜んでくれたかな…と思い、帰ったよ。とメールを打った。
するとすぐに電話がかかってきた。
悠介「淳士!なんでこんなん…高かったやろ?」
俺が贈った物に驚いているみたいだった。俺が贈ったのは指輪。もちろんお揃いで、ツインリング。色は悠介が金と銀で俺が黒と銀だった。
淳士「何を言ってるの?たいしたことないから安心しなさい(笑)そんなに嫌やった…?」
と俺がガッカリしたふりをして聞くと慌てて嬉しかったと言ってくれた。
悠介「そういや知ってる?今度さ、〇〇で俺の学校と淳士の学校で野球の試合があるねん。んでさ、その後カラオケ行こうよ!俺あんまり上手くないけど…」
淳士「ホンマに!?知らんかった…。じゃあ俺、悠介の応援しにいく!(笑)そっからカラオケかあ…いいよ!」
悠介「じゃあ約束な!また時間とか連絡するから!じゃあ俺寝るわ。おやすみ、淳士。」
と言って一方的に電話を切られたが、最後の甘い声にうっとりしてしまっていた。
すぐにメールが来て、時間と場所と、文末に「好きやで」と書かれていた。俺はその日、久しぶりにゆっくり寝た。