「何か…ゴメンな」
「僕が悪いから…」
恥ずかしくて目が合わせられない。
「もう大丈夫か?」
「ぅん…」
「その…なんだ…そんなに俺と…したかった?」
「そんなこと…」
「キスくらいならイイぞ」
「ぇ?」
「俺はお前の王子様だからね」
「恥ずかしくない?」
「恥ずかしい」
照れながら言う圭介くん。
「圭介くんがしてくれるなら…その…」
「初めてだからな。下手とか言うなよ」
「ぅん…」
圭介くんの隣に座る。
「ほら…力抜いて」
「ぅん…」
ゆっくりと顔が近付いてくる。
目を閉じ、息を感じる。
「…ん」
軽く重なった唇。
1秒もしてたか分からない。
でも、すごく長く感じた。
「ぁ…ぇと…」
顔が熱い。
「お前が初めて…だからな」
「ぅん…」
勝手に涙が溢れてきた。
「泣き虫だなぁ」
「ゴメン」
ギュッと抱き締められた。
「なぁ…キモイかもしれないしけどイイか?」
「なに?」
「もし俺がお前に惚れたって言ったらどうする?」
「…ぇ?」
「俺、お前のこと好きになったかも」
「ほ、ホントに?」
ただ頷いた圭介くん。
「好き…です」
「演技じゃなくて?」
「あぁ。好きだ」
圭介くんは耳まで真っ赤にしてた。