残暑が未だ残る9月の暮れ。
交際が始まり、もう直ぐ2ヶ月が経とうとする俺とヤスは、初々しいカップルとは全く違う落ち着いた付き合いをしていた。
もっとイチャイチャしたり、四六時中一緒に居たいとか
そんな気持ちは無く。
まぁ多分お互いの趣味が合わないし、何より勤務時間が違うので一緒に居る時間はそんなに多くは無かった。
俺自身そんな気にしてなかったし、ヤスも何も言って来なかったので
そのままダラダラと過ごしていた(勿論やることはやっていたけど)
そんな中、夕方18時前後。仕事上がりに俺の部屋に遊びに来て一緒にマッタリしていたヤスの口から
『エッチしたい』
とポツリと漏れた。ベッドの上に座り、テレビゲームに没頭していた当日休みの俺は
「…ワン!ワンワンワン!」
と意味不明な言葉を発していた(大神と言う犬ゲームにハマっていた時期だったかと)
『ねーたーいちー』
暇そうに下でアグラを掻いてベッドに顎を乗せるヤスに正直
(仕事抜けでヤス汗臭ェから嫌だ)
と酷い事を思ってた俺は、軽く無視を決め込んでいた。
性格の悪さとプチSな俺を十分理解しているヤスは暫くは我慢していたが
そんなやり取りが1時間近く続くと流石に怒り出して
『マジで、太一、ふざけろよ』
とトゲトゲしい言動になってきた。
ゲームも良いトコで、辞めたくは無かったが
あまりにヤスがゴネるので仕方無しに電源を落とすと同時にヤスがベッドに乗ってきた。
(欲求不満…)
既に俺の横から腕を回し、首に舌を這わすヤスに暫く動じず横目で様子を伺っていると
『風呂入った?』
「ん、お前が来るちょっと前」
『なんで』
「昨日の夜入ってな…」
『そんなにシたかったの?』
どっからそんな考えが出るんだか(笑)
明らかに乗り気じゃねーだろ
ってツッコミを入れたくて仕方無かったが
『俺も仕事中、我慢すんの大変だったし』
とか可愛い事言いやがるので、
首をヤスに向けてキスした。